ソラとユーグのステータス
――――sideソラたち
その日ソラとユーグはステータス開示を受けに来ていた。
「これがステータス開示!」
「身分証のステータスカードは支給されていましたが、まさかステータス開示がまだだったとは」
司祭のキハダが驚く。フォレスティア小領の小祭壇では立地が不便だということで、ステータス開示のための開示台が設置されていた。
ソラとユーグはキハダと光の精霊士マヤ監修の元、ステータス開示を受けていた。
「それで結果はどうだったの?」
マヤの問いにソラが答える。
「えっと……ジョブは庭師です」
「まぁ!さすがね。フォレスティアのビニールハウスの発起人だけのことはあるわね」
「えぇ、お庭だけじゃなくって畑の拡張についてもお手のものですからね」
キハダが感心する。
「そんなことは……拡張工事はほぼ巨人族の方々が行ってくれましたし」
「それでもソラちゃんがいたからこそよ」
「そうです。もっと自信をもっていいんですよ?」
「あ、ありがとうございますっ!!」
ふたりに励まされソラは嬉しそうに頷いた。
「それでスキルは?」
「スキルはスイーツマスターだそうです!」
「まぁ!さすがは森の精たちや精霊たち、子どもたちのみならず、フォレスティア中を虜にする
お菓子作りの名手ね!」
「皆さんに喜んでもらえるのは嬉しいです!これからも頑張りますねっ!この前クロ殿下からワッフルメーカーをいただいたので、また皆さんにごちそうします!」
「ふふふ、また楽しみにしているわ」
マヤが微笑む。
「それでユーグくんのジョブはどうでしょう」
「……」
ユーグはキハダにすっとステータスカードを見せてくる。
「おやこれは……」
「あら、これは?」
「わぁ、ユーグったら」
そこに印字されていたのは……。
【保育士】
「なんだかんだでウチのちびっ子たちの扱いにもたけてるのよね~」
「この前、森の精たちやシエルにもじゃれられていましたっけ」
「……」
「それでスキルはどうでしょう?」
「……」
再びユーグが3人にステータスカードを見せてくる。
「……収穫上手」
「ユーグくんは働き者ですものね」
「皆助かってるって言ってるもの」
キハダ、マヤ、ソラの言葉に……。
「……」
ユーグは普段表情を変えないが、ほんのり嬉しそうにうなずいた。
彼もまたソラと同じようにこのフォレスティア小領の役に立てることが嬉しいのだろう。
「次は精霊たちの出番だぞ」
と、そこへ小領主のクロヴィスと空の精霊シエルと大地の精霊焦、森の精まりゆーす支部隊たちがやって来る。
「あのね、クォーツ領ではステータス開示の時に精霊たちが祝福の言葉をかけるのよ?」
「うん、だから」
マヤとキハダが告げれば。
『わたち(ぼく)たちもなのれす~~~』
「わぁっ!嬉しい!ねぇ、ユーグ!」
「……」
コクっと頷くユーグ。
「それじゃぁ、まずは私から!まずはソラ、いつもお菓子ありがと!これからも楽しみにしてるね!大好きよっ!」
そう言ってシエルがソラに抱き着く。
「ありがとう!私もシエルが大好き!」
ソラがシエルを優しくなでなでする。その様子をユーグは愛おしそうに眺める。続いてシエルがユーグの方へ向き直る。
「これからもソラをよろしくねっ!あと、いつもおいしいお野菜ありがとう!」
「……ん」
ユーグはシエルから言葉をもらえて何となく嬉しそうだ。
「次は焦よ?」
「うん……まずはソラ」
「は……はいっ!!」
「子どもたちや精霊たちの世話をいつもありがとう。フォレスティア小領がいつも明るいのはソラのおかげだ」
「焦さん……嬉しいです!ありがとうございます!」
「うん、では次にユーグ」
「……」
「ユーグのおかげで土がだいぶ元気になった。これからもフォレスティア小領の大地を大切にしてくれ」
「……うん」
焦に頭をぽむっと撫でられたユーグは少し照れ恥ずかしそうに微笑む。
『次はわたち(ぼく)たちなのれす~』
森の精まりゆーす支部隊たちが声を合わせてソラに向き直る。
『ソラちゃん、いつも、お菓子ありがとうなのれす!これからもたくさんお菓子食べたいのれす!たくさん遊んでなのれす~~~』
さすがは森の精、息ぴったりである。
「うん!もちろん!私の方こそありがとう!」
『ゆーぐ、いつも、お野菜ありがとうなのれす!これからもたくさんお野菜ちょうだいなのれす!甘い果物もすきなのれす!!』
「……ん、育てる」
『わ~いっ!なのれす!!』
「おやまぁ、精霊たちから大祝福ですね」
『大祝福~~~』
シエルと森の精たちがきゃっきゃと賑やかに斉唱する。こうしてフォレスティア小領のステータス開示では、皆々が精霊たちから大祝福を受けるという慣習ができたのだった。




