伏線大回収祭
ついに……ついにクォーツはこんな奇祭を始めました。ってんなわけあるかあぁぁぁぁ―――――いっ!!!
いいの、これいいの!?チート&主人公ヒロインもびっくりだよ!ちゃんと本編に盛り込めよっ!!!
ヨシュア様の真実
「うん。第一弾はやっぱりこれだろう」
「クロ殿下。その話題、その……」
「でも紅消。やっぱ気になるじゃん。エストレラ王国王室広報室の室長はやってるけど他の公務については、俺実子なのによく知らないし。スキルについても結局何なのかわからなかったじゃん」
「それはその……国家機密なので」
「う~ん」
と、ヴェイセルが顎に手を当てて考えあぐねている?
「やめろヴェイセル。このネタは危険だ!」
「それじゃぁ……ヒント!!」
「……ヒント?」
「東部動乱【山賊の女皇編】でのマティアス様のセリフ!」
「え?そんな伏線回収できるセリフあったっけ?」
「さ、さすがにこれ以上は」
「でも紅消、気になるし!!」
「それに正体については読者の皆さんは気付いてると思うよ?」
「いやヴェイセル。この小説の世界の外側のことまで言及するのはありなのか?」
「俺の必殺空間魔法ではこの小説の世界の外側のことまでも見透かせるのだっ!!」
ほんと、何でもありだな空間魔法!!
「んもうクロったら。お父さんの正体とスキルが知りたいのならいつでも教えてあげるのに」
と、そこにいきなり父さんが!?いや、気配しなかったんすけど。一瞬背中に悪寒が走ったんすけど。
「……教えてくれるの?因みに、ジョブも知りたい」
「んっとね~~~」
「うぐぐ……」
なしてか紅消が縮こまっている。ヴェイセルはへらへらしてるけど。
「ジョブは裁縫師、スキルはわふたんコス作り、
正体はわふたんコスを着こんだクロとヨルを愛でるのが大好きなお父さんだよ?」
……えっと、それ、ツッコんでいいの?マジでそうなの?
前にヴェイセルが言いかけたスキルとはかけ離れていると思うけど!
まぁわふたんコスを常時用意している父さんのことだからあり得なくもないのか?
「そうだったの?紅消」
試しに紅消を見やると、なしてか三つ子の長男である黒鳶さんを召喚しその陰にびくびくしながら隠れている。
「そ……そうですね。そういうことにしておいてくださると……」
「紅消、私を盾にするな」
「でも黒鳶兄さんっ!!!」
「いいんじゃない?それで」
と、ヴェイセル。
「さすがはヴェイセルくん。話が分かるね~。そこは紅花ちゃん似かな?」
「……はいっす」
何故か妙にかしこまっているヴェイセル。
「ににさま、父さまー、何の話してるのー?」
とそこにふすまを開けてイヴが入って来る。
この荒んだ空気をほっこり温めてくれる俺のかわいい妹のイヴ最高。
「ん?父さまのスキルとジョブと正体」
と、父さんがにこにこしながらイヴの頭をなでなで。
「あ、イヴも知ってる!ジョブは裁縫師、スキルはわふたんコス作り、正体はわふたんコスを着こんだクロににさまとヨルににさまを愛でるのが大好きな父さまだよ?」
うぐおぉぉっ!!イヴまでそれを知ってるなんて!
「と……、言うことだ、黛兄さん」
「そう言うことで、兄の盾になれ黛よ」
「いや……2人そろって何なんだ!?」
と、にこにこ笑顔の父さんの前に紅消と黒鳶さんによって押し出されたイヴのお世話係で三つ子の真ん中の黛さんが珍しく取り乱していた。