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~この世界で俺は~9


食事を終えたグニスは食器を片付けている最中、狐の方を見た。

狐は食事を終えてグニスの方を見ていた。


何か言いたそうな感じだな。

もしかしてまだお腹が空いているのかな?

もう少し出してあげるか。


グニスは新しい皿に同じ食事を盛り付けて狐の前の皿と交換した。

「まだお腹空いているのか?同じものだけど食べられそうかな?」

グニスの言葉を理解したのか狐は再び食事を始めた。


狐はあれから何度かおかわりをして満足したのか少し後ろに下がった。

「おっ。もういいのか?こんなに食べてもらえて幸せだな。それじゃあ片付けするからちょっとだけ待っててね」

そう言ってグニスは片付けを始めた。

狐はその光景をずっと見ていた。


グニスは片付けを終えて狐の前に屈んだ。

狐はもう警戒をしていなかった。

狐はグニスが屈むのを見て座っていた状態から伏せるような態勢になった。


これはくつろいでくれているのかな?

それならまずは安心させるために自分の事を話してみるか。


「さて。無事に栄養を摂取できたと思うし、ゆっくり休ませてあげたいけど少し俺の話を聞いてもらえると嬉しいな。警戒は少し解いてくれたと思うけど信用してもらえるために俺の事を知ってもらえたらと思って」

狐は頭を上げてグニスの顔をじっと見つめた。

「聞いてもらえるってことでいいのかな?・・俺は生まれた時からここで生活しているんだ。俺を産んでくれた母さん、それに親ばかそうな父さんがいたんだけどね。生まれてすぐ近くの村が襲われて、父さんが死ぬ気で俺と母さんを逃がしてくれてな。母さんもここに着いてから追っ手を警戒して命と引き換えにこの小屋に結界を張ってくれたんだ。それから俺は一人でこの小屋に10年暮らしてきたんだ。初めは食事とかどうしようと思っていたんだけど小屋に本がいっぱいあって、それで勉強して魔法の使い方とか戦い方を勉強して生きる術を身に付けたんだ。でも赤ちゃんの時だったから魔法で何とか畑とかで食料を作ることしか出来なかったんだけどな。それで今日いつも通り狩りをしようかと思って外に出たら君が倒れていたから助けたって感じなんだ。だから俺はここに一人で・・・」

グニスは話している最中、狐の方を見て唖然とした。

狐の目から涙が流れていた。


「えっ?ど、どうしたの?もしかしてまだ傷が痛むの?それとも食事が合わなかったとか?」

狐は頭を横に振り否定した。

そして、狐はグニスの懐に飛び込んできた。

グニスはそれを受け止めた。

「・・・もしかして慰めてくれているのか?」

グニスは少し驚いたが、少し笑みをこぼして狐の体を撫でた。

「でも君が悲しむことではないよ。慰めてくれるのは嬉しいし悲しんでくれるのはもちろん嬉しい。でも生まれたての事だったからあまり情があったってわけでもないけど、一応親だからな。主犯には一応復讐は考えているけど、そんなことしたら結界から見てる母さんが悲しむからな。機会があれば仇を取れたらと思ってるぐらいで。・・・いや、本当は何をしてでも復讐してやりたいって思ってる。まあ母さんが見てるかは正直わからないけど、もしかしたら結界として生きてる可能性があるから、母さんを元に戻せれるようにしたいのが俺の一番の目標なんだ」

狐はグニスの懐から顔を出してグニスの顔を見た。

そして、狐はグニスの左ほほにペロッと舌で舐めた。

「ふふっ。ありがとう。ところで、君はこれからどうするの?怪我は多分大丈夫だと思うけど。食事もしたから体を休めるくらいならここを使ってもいいし。もしどこか行くなら自由にしていいからね。俺は縛ることはしないから。俺が自由にしたいし縛られたくないからね」

「キューン!」

狐が何を言いたいかはわからないが何となくわかってしまった。

「それじゃあとりあえず体を休めてからその後の事を考えようか」

グニスは狐を抱えたまま立ち上がり、寝室の方に向かった。


「ここが寝室だ。君もここで寝ていいからね」

狐はグニスの懐から飛び、布団の上に乗った。

「そういえば君の事なんて呼べばいいのかな?ずっと君と呼ぶのはね~。名前ってあるの?」

狐は首を横に振った。

「名前が無いのか。俺が付けてもいいのかな?」

狐は首を縦に振った。

「そうだな~。じゃあ・・・」



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