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~学園~5

ヨツカに抱えられながらグニスは城門まで来ていた。

門番をしている騎士がリーシャの元へ走ってきた。

「お帰りなさいませリーシャ様!そちらの方と拘束されている騎士はどうされたのですか?」

「彼がこの方に切りかかったので拘束しました。彼は牢へ!治療するので医者と魔法師を連れてきてください!それとシューゲンも連れてきてください!」

「かしこまりました!」

そう言って騎士は拘束している騎士を連れて奥へ行き、他の騎士が頼まれた人物を連れてくるため走り出した。

「ヨツカさん!こちらへ!部屋へ案内いたします!」

リーシャは案内をするため先頭を歩き始めた。

走らなかったのは少しでもグニスに負担をかけないためだ。


城の一室に案内されたヨツカはベッドにグニスを寝かせた。

「すぐに医者と魔法師が来ますので安心してください」

「人間に何かしてもらう必要はありません。グニス様のご指示で私が回復させることもせずグニス様も回復をしていないだけです」

「えっ?・・それってどういう・・」

「簡単な話です。グニス様には何かお考えがあってこのような方法を取っておられるのです。本当でしたら怪我をすることもないですし、怪我をしたとしてもすぐに回復することも可能です。今は貴女しかここにいないのでお教えしているのです。これもグニス様のご指示ですので」

グニスは城を向かっている際にヨツカに念話で事情を話していた。

リーシャだけになったら回復出来るが、あえてしていないことを話すようにと。

「・・・どうしてこのような事をしたのですか?」

「全てを聞いたわけではありませんので私には分かりません。ですが何かお考えがあると思います」

「ヨツカさんが聞いたことをお聞かせいただくことは出来ないでしょうか?」

「それは出来ません。グニス様には先ほどお伝えした事だけとご指示がございます。気になるのでしたらグニス様にお聞きしてみては?答えていただけるかわかりませんが」

リーシャはグニスを見た。

「しかし、意識が無いのでは聞くことも・・」

「意識はあるぞ」

リーシャは目を見開いた。

「この程度で意識を飛ばすわけないだろ。それに傷は運んでもらってる間に塞いである」

リーシャは傷口を見た。

確かに傷口は塞がっていて切られた後も無くなっていた。

グニスは体を起こして、

「ここなら周りに気付かれることなく話が出来るだろ?」

「え、えぇ。もう少ししたら私が呼んだ者達がこちらに来ますが・・」

「シューゲンだけ中に入れて後は戻ってもらえ。他に聞かれると困るからな」

「・・・わかりました。本当にもうお怪我は大丈夫なのですか?」

「問題ない。それに見てもらっても治す箇所がないんじゃ意味がないだろ。ヨツカに治してもらったとでも言っておけ」

「では、そのようにします」

ここでドアのノックがした。

「どうぞ」

扉を開けて入ってきたのはシューゲンと医者と魔法師、それと呼びに行った騎士が来た。

「リーシャ様!お呼びいたしました!」

「ありがとう。申し訳ないのですが、傷はこちらのヨツカさんが治していただいたのでシューゲン以外の方はお戻りになってください」

「はっ!」

そう言うと騎士は部屋を出ていった。

医者と魔法師もお辞儀をして部屋を出ていった。

シューゲンはリーシャの元へ歩いてきた。

「グニス殿。この度は我が騎士がご無礼を働きました。お許しください」

シューゲンは深々と頭を下げた。

「構わない。ちょうどいいタイミングだったから利用させてもらったのはこっちだ」

「お怪我はもう大丈夫なのでしょうか?」

「気にするな」

グニスはベッドから降りて魔法で血を落として綺麗にした。

「便利な魔法ですね」

その魔法を見たリーシャは興味を示した。

「またいずれ教えてやるよ。・・・さて、今回何故このような事をしたのか疑問に思っていると思うから説明する」

そう言ってベッドに腰かけた。

ヨツカもグニスの横に座った。

グニスが指をパチンと鳴らして部屋にあった椅子を二つ、グニスの前に動かした。

そしてグニスが二人に座るよう視線を送る。

リーシャとシューゲンは頷いて椅子に座った。


「さて、これから話すことを信じるか信じないかは好きにしてくれていい。他の人に話してもいいが話せれる内容かはわからないから、話す場合は考えてから話した方がいい」

「・・・そんな話を私達にしても大丈夫なのですか?」

「ああ。だが、この話を聞いてからどうするかは二人に任せる」

「わかりました。話を聞いてから判断します」

リーシャは真剣な顔になった。

それはシューゲンも同じだった。

「結論から言わせてもらう。・・・この国は滅びる」

「「えっ!?」」

リーシャとシューゲンは驚いた。

「城は崩壊、街は火の海。そこらに散らばる死体。攻めてくる相手まではわからないが完全に滅びていた」

「ちょちょちょ、ちょっと待ってください!どういうことですか!?」

話を進めるグニスにリーシャが立ち上がり言葉で止めた。

「どうして我がエルロッテが滅びることになるのですか!?どうしてグニスさんがそのような事を知っているのですか!?」

「そうです。いくらグニス殿と言えどそのような事を言うのはどうかと思います」

「いいから聞け」

グニスは目を細めて二人を見た。

二人はその目に少し怯え、冷や汗をかいた。

リーシャは何も言わず椅子に座った。

「・・・失礼しました。まずはお話を・・お聞きします」

「今話したのは可能性の話だ。もちろん滅びない可能性もある。だが可能性がある以上話した方がいいかと思ったから話すことにしたんだ」

「・・・もしかしてあの時に何か見られたのですか?」

ヨツカがあの時と聞いたのは、小屋の外で空を見ていた時の事だった。

「ああ。俺が見たのはさっき言った通りの惨状だ。使用人のような人が指差した場所に行くと、そこにはリーシャとシューゲンの死体もあった」

リーシャとシューゲンは目を見開いた。

「他の国が攻めてきたのか魔物に襲われたのかはわからない。既に滅びた後だったからな。だがリーシャの見た目からしてそう遠くない話だ」

リーシャは下を向いた。

体は震えていながら強く手を握りしめていた。

「・・・グニス殿。私は・・・リーシャ様を守れなかったのですね」

「・・・ああ。だが、守っていたと思うぞ。守ったであろう姿だった。守った後にリーシャは殺されたんだろう」

「・・・そう・・ですか。逃がすことは出来なかったのですね」

シューゲンの手は強く握られた。

「それで俺は情報を集めることにした。そのため城にも入る必要があった。訪問する予定もあったが、せっかくの機会だったんでな。利用させてもらうことにした。今日街にいたのは情報収集の一環だ」

「・・・父と母は・・」

「ん?」

「・・・父と母はその場にいましたか?」

その場に・・・とは死体のことだ。

「リーシャの父親と母親がどんな人物か知らないからな。だが王と王妃なら先に騎士達が逃がしているんじゃないか?」

「もしかしたら逃げるまでの時間を稼ぐために私も戦ったのかもしれませんね」

「そうかもしれないが、そうじゃないかもしれない。悪いが死んだ経緯までは知らない」

少しの沈黙となった。



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