~学園~3
三人はカフェに来ていた。
グニスとヨツカが横で対面にリーシャが座っている。
注文した飲み物が届いてからリーシャが話し始めた。
「ではまず、半年前は助けていただきありがとうございました。国に帰ってから村の事を改めて調べましたが、記録とかも何もなかったので何もわからなかったです。それとあの日の魔族の事もですが、調べても何も出てきませんでした。薬の件も何もわかりませんでした」
リーシャはこの半年調べたことを伝えた。
「そうか。俺も一応調べてみたが、何もわからなかった。実際に薬を解析するとかしないとわからないかもしれないな」
「そうですか。お互い情報は何も得られていないのですね。組織についてはどこまでご存じでしょうか?」
「冒険者ギルドで聞いたことくらいだが・・・」
グニスは冒険者ギルドで聞いた組織の事を話した。
何かあれば情報交換することは話さなかった。
「ということぐらいしか知らないな。あとは数日前に襲われたぐらいだな。その時は冒険者の人と一緒だったからその人に任せたけど」
「襲われたですって!?街中でそのような事が起きるなんて・・・。その冒険者さんは大丈夫だったのですか?」
「ああ。多分知ってるんじゃないかと思うぞ?シューゲンの妹だ」
「セレーネね。彼女なら大丈夫ね。彼女と知り合いだったの?」
「冒険者登録の時に模擬戦の試験官がいなくてな。ちょうど通りかかったのがセレーネで試験官をしてもらっただけだ。翌日に街の案内をしてくれた時に襲われたんだ。その後は一回も会ってないがな」
「冒険者として活動してなかったの?」
「冒険者登録したのは身分証が欲しかっただけだからな。わざわざ活動するつもりはない。こっちに来たのは街で得られる情報もあると思ったからだ。それにどっかの誰かに頼まれた事もあるからな」
「それじゃあさっそく教えてもらう事って出来ますか?」
リーシャは立ち上がり、目を光らせて聞いてきた。
グニスは顔を動かさず視線だけでヨツカを見た。
ヨツカも視線だけグニスを見てから目を瞑った。
「せめて入学してからだ。見た感じ受かるのは確実だからそれでいいだろ」
「・・・わかりました」
リーシャは少し落ち込んだ表情で座った。
「グニスさんが実技試験でした結晶を直したのは魔法何でしょうか?」
「そうだな。魔法で結晶を直した。ただそれだけだ」
「そのような魔法があるなんて初めて見ました。あれはどの属性の魔法になるのですか?」
「どの属性でもないぞ。あれは治療魔法の一種だからな」
「治療魔法・・・。治療魔法だけは火、水、地、風、光、闇のどれにも属さない魔法なのは知っています。治療魔法って生命あるもの以外にも効くのですね」
「治療魔法の一種だからな。人に効く魔法もあれば無機物に効く魔法もある」
リーシャは何か考えているのか少し黙っていた。
「他には?」
グニスが中々本題に入らないリーシャに話しやすいように聞いた。
「・・・何もありません」
グニスは少し目を細めてリーシャを見た。
その視線に気付き、リーシャはため息をついた。
「・・・本当はあります。学園で話したことなんですが、父が感謝を伝えたいとのことで来ていただきたくて。・・・しかし、それはもういいです」
グニスは言葉を待つことにした。
「グニスさんが仰ったことは当然の事でした。なので父に伝えに来てもらうか、感謝の言葉を預かり私から伝えさせていただきます。なので何もないと言ったのは本当の事です」
「・・・わかった」
「では、私はこれで」
そう言って席を立ち、店を出ようと歩き出したところで、
「今日は無理だ。俺の予定が空いたときに行くことでいいか?」
その言葉に驚きリーシャは立ち止まり、グニスの方を見た。
そして驚いたのはリーシャだけでなくヨツカも同じだった。
「グ、グニス様!?どうされたのですか!?」
意見を変えたグニスに動揺したのかヨツカが尋ねてきた。
「城の中も見ておこうかと思っただけだ。城の中は入れないから情報を得ることが出来ないしいい機会だと思ってな」
本当の理由の半分をヨツカとリーシャに伝えた。
「・・・来ていただけるのですか?」
「ああ。だが、さっきも言ったように俺の予定が空いたときに行くから日にちの約束はしない。急な訪問になってもいいのであればな」
「構いません!ありがとうございます!来られた時は兵士にお伝えしてもらえたら中に通すように伝えておきますのでよろしくお願いします!」
そう言ってリーシャは走って店を出ていった。
「・・・支払いはこっちか」
あの夢の事が少し気になるからな。
夢を見ていなかったら行く事はなかったが。
グニスは伝票を持って会計をして二人で店を出た。
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