~この世界で俺は~4
「・・・ねえ貴方」
「わかってる。まさか普通だとはな」
「・・・どうなさるのですか?」
「どうもしないわ。私たちの子には変わりないもの」
「そうだな。強くても弱くても普通な子でも俺たちの子だ。しっかり愛して育ててみせるさ」
「・・・そうですか。では私はこれで」
ハーバルはそれだけ言って部屋を出ていった。
グニスはハーバルの顔を見逃さなかった。
振り返りきる前に一瞬笑っていたことを。
あのハーバルってじいさん・・・
何か企んでそうだな。
しかし意思疎通が出来ないんじゃ伝えようにも伝えられないな。
魔法も使えたのかわからないけど思念伝達みたいなことでも試してみようか。
あの人何か企んでる、あの人何か企んでる、あの人何か企んでる、あの人何か企んでる・・・
ん~~、反応がないな。
これだと隠蔽も出来たのかわからないな。
「俺たちの子ならすごいことになると思っていたけど、普通に生まれてきてくれてよかったな」
「ええ。国のこととかに使わされるより普通がいいわ」
国ってことはやっぱり母は国の王女とかお偉い人ってことなのかな?
様って言われてたし。
父は国を守る騎士とか国の精鋭部隊とかで母と仲良くなったという感じ?
父に関してはまだよくわからない。
「これで安心してこの村で暮らしていけるわ」
「だが、師匠がなぜこの場所にたどり着けたのかが結局わからないままだ。偶然なのか、それとも・・・」
「そうね。あの人のことだから何かの魔法で探し出した可能性もあるけど、村に危害を加えることはしないと思うわ」
「そうだといいんだが。もしグランタ国王が王令など出していたらわからない。俺たちは従うつもりはないが、もしこの子をわが物にしようと企んでいたら俺達を殺すことの出来る師匠を行かせた可能性もあるぞ」
「・・・今は休みましょ。私もこの子を産んでまだ体力も魔力も戻ってないの。朝になれば回復するしそれまで貴方頼みよ」
「ああ。護衛は任せてくれ。アニスはゆっくり休んでいてくれ」
タングスは部屋を出ていった。
グランタ国王に師匠か。
あのじいさんが父の師匠。
そういえば弟子って言ってたような。
母はグランタ国ってところの王女、もしくはお偉い人だな。
あのじいさんが様って言ってるとなるとそれほどの人だと思う。
父が弟子ということはグランタ国に仕えていたというところだな。
国王がどんな人物かわからないが話を聞く限り、ろくな国王ではなさそうな気がする。
あのじいさんが笑っていたことを考えると、おそらく父の予想は当たってそうだ。
おそらく母の弱っている今晩に何か仕掛けてくると思う。
今は夕方ぐらいだからあまり時間もなさそうだ。
赤ちゃんの俺に何か出来ることないのか?
・・・普通に考えれば無理なことか。
父を信じるしかないか。
伝えられたらいいんだけどな。
グニスはそのまま目を瞑り、寝てしまった。
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