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~いざ、エルロッテ国へ~18

三人はギルドへ着いた。

「あっ、セレーネさん。それにグニス様にヨツカ様も。今日は依頼を受けに?」

「違うわ。本当は二人の街案内していたんだけど、ちょっと予想外の事が起きてね」

「予想外の事ですか?」

「ここではちょっとね。奥の部屋でいい?」

奥の部屋というのは魔力水晶があるところだ。

「わかりました。ではこちらに」

「それじゃあ私は話をしてくるから二人は訓練場で待ってて」

セレーネとリラは奥の部屋に入っていった。

グニスとヨツカはそれを見た後、訓練場へ向かおうとした。

・・が、しかしそれは叶わなかった。

「お前見たことない顔だな」

話しかけてきたこと人物がいた。

見た目的に冒険者だろう。

その少し離れたところに三人立っていた。

パーティなのだろう。

グニスとヨツカは気にせず訓練場に向かおうとした。

しかし、その冒険者がグニスの肩を掴んだ。

「おい!無視してんじゃねぇよ!」


はぁ~面倒だな。

こういう事はあるだろうと思ったが。

こんなことされたら・・・


グニスは横目でヨツカを見る。

ヨツカは顔には出ていないが怒っているのがわかる。

そういう雰囲気が出ていた。


やっぱりな。

こうなるよな~。

機嫌取るのも面倒だし、適当にあしらうか。


「なんだ?」

グニスは男に返答した。

「お前みたいなやつが何で「閃剣せんけん」と一緒にいやがる」

「・・・閃剣?」

「閃剣のセレーネ。お前と一緒にギルドに入ってきたやつだ」

「別に。たまたま一緒にここに入っただけなんじゃないのか?」

「そんなわけねぇだろ!閃剣と一緒に街を歩いているのはわかってんだ!お前は何者だ!?」

「昨日登録した冒険者だが?」

「冒険者だぁ?お前みたいな弱そうな奴がか?」

男は横にいたヨツカを見た。

「はんっ!この獣人のおかげで冒険者にでもなれたのか?やめとけやめとけ。お前みたいなやつがすぐに死ぬんだからよ」

後ろの人たちも笑っていた。

「ご忠告どうも。ご心配なく。では」

グニスは歩き出そうとするが、男は力を入れて歩くのを止めた。

グニスは再びヨツカを見る。

ヨツカから殺気が漏れ出していた。

「逃げようとしてんじゃねぇよ!」

「・・・その手を放せ」

ヨツカは我慢できず口を挟んだ。

「あぁ?」

「その汚い手を放せって言ったんだ」

殺気がギルド内に広まった。

殺気に気付いたギルド内の人はその元の方を見始めた。

男も冒険者だ。

とんでもない殺気に思わず手を放し、後ろに下がった。

「私たちは忙しいんです。邪魔しないでもらってもいいですか」

男は冷や汗をかいた。

「・・は、はっ!やっぱりその獣人のおかげで冒険者になれたんだろ。そいつに頼らずお前がかかってこいよ!」

「貴様如きにグニス様が出るまでもない。無礼を詫びながら死ね」

殺気がさらに濃くなった。

周りの人は動かない。

いや、動けなかった。

動けば殺されると思ったからだ。

それは絡んできた冒険者たちも同じだった。

ヨツカが手を上にあげた。

そして、ヨツカは手を振り下ろした。

・・・はずだった。

手はグニスによって止められていた。

「そこまでだ。ここで殺したら街で生活が出来なくなる」

「しかしグニス様!こいつはグニス様に無礼を!」

「だが殺すのは違う。こういう時は殺さない程度にするだけでいい」

「・・・わかりました。ではそれで」

グニスは手を離した。

ヨツカは振り上げていた手を前に出して、風の弾を放った。

男は弾に当たり、吹き飛ばされて壁に激突して倒れた。

風だけでと思うが、かなりの風圧だったので飛ばされるスピードは速かった。

それで後頭部に強い衝撃を受けたのだ。

他の三人は後ろを見て倒れている男を見た。

「貴方達も笑っていましたね。そいつほどではないが、貴様たちも同罪だ」

同じようにヨツカは風の弾を放とうとした。

しかし、放つのを止めた。

三人の前にセレーネが両手を広げて立ったからだ。

「ま、待ってヨツカさん!」

「何か御用ですか?」

グニスは横目で奥の部屋の扉の方を見た。

そこには心配そうに見ているリラが立っていた。


おそらくヨツカの殺気に気付いて出てきたんだろう。

出てきたときには男が飛ばされていて、状況を判断するためにセレーネが出てきたのだろうな。


「何があったかはわからないけど、その手を降ろしてほしい」

「なぜですか?貴女に指示される筋合いはありません」

セレーネは何とかこの場を乗り切るため、頭を使いまくった。

「おそらく、ヨツカさんがそうなっているのは、グニスさんが関係していると思うんだけど、話を聞かせてほしい。被害を増やしたくないの」

「・・・わかっているのならそこをどいた方がいいですよ。別に貴女と親しいわけではありませんので構わず撃ちます」

ヨツカの周りからは風が吹き出していて、手には風の弾が一つある。

「わ、わかってる。でも状況を把握するためにも話を聞くだけでも」

「・・・まあ、いいでしょう。そこの男がグニス様に無礼を働いた。しかもしつこく。グニス様の邪魔をしたのです。そこの人たちはグニス様を笑った。同罪です。・・・さあ、話しました。このまま退くなら貴女は撃ちませんが、退かないのでしたら撃ちます」

「・・・わかりました。しかし、この者たちの処遇はこちらで請け負ってもよろしいでしょうか?」

受付の方から声がした。

リラが近くに来て話しかけてきたのだ。

「前からこの方達は新人や気に入らない人にはちょっかいをかけているので、どうしようかと思っていたのですが、これほどの問題を起こしたのであれば重い処罰を与えさせていただきます。一時の痛みを与えるよりも、長い処罰を与える方がヨツカ様もよろしいのではないでしょうか?」

「・・・それは後ほどそちらでやればいいことです。グニス様への無礼を見逃すほど私は愚かではありません。説得しようとしても無駄です。殺しはしません。殺すことはグニス様にも止められましたので」

セレーネは警戒しながら倒れている男を見た。

男は痛みに耐えるので精いっぱいで起き上がることが出来ていなかっただけだった。

「これが最後です。止めようとするのであれば貴女たちにも撃ちます」

セレーネとリラはグニスを見た。

グニスは視線に気付いたが、目を瞑った。

止めないという意志を伝えた。

セレーネとリラは目を合わせてリラは頷いた。

セレーネはため息をついてから、

「・・はぁ。わかったわ。殺さないのであれば私は退くよ。私には止められる力もないからね」

そう言ってセレーネはリラの方へ歩き出した。

「・・えっ!?閃剣!?助けてくれるのでは!?」

三人のうちの一人がセレーネに問いかけた。

「話を聞くに貴方達が悪いみたいだからね。今までしてきたことを後悔しなさい」

「利口な判断をしましたね」

ヨツカはセレーネにそう言って、三発の風の弾を三人に撃ち、吹き飛ばして倒れている男と同じ状況にした。



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