~いざ、エルロッテ国へ~17
「この人達をとりあえず拘束してギルドに連れて行こうと思ってるんだけどいいかな?」
セレーネがグニスに木刀を返しながら言ってきた。
「別に構わない。このままここに置いていくのもだからな」
グニスは木刀を収納魔法に入れながら言った。
「その武器貸してくれてありがとうね。あとで少し付き合ってもらう時に貸してもらってもいい?」
「別にいいが自分の剣でやったらどうだ?」
「その武器だと練習するのにちょうどいいかなって思ったんだ。練習するのに丸太使うから剣だと切っちゃって何個も準備しないといけないからね」
「・・・魔力を流すだけだから切る必要ないんじゃないか?」
「そう・・なんだけどね。でも出来た時とか出来なかった時の違いとかを実際に感じて知りたいんだ」
「・・・わかった。それよりそいつらだけど」
グニスがマントに人たちを指差した。
セレーネはマントの人たちを見た。
「とりあえず離れた方がいいぞ」
「・・えっ?」
言ってる意味がわからずグニスを見た。
マントの人たちの体が膨らんできた。
セレーネはもう一度マントの人たちを見て驚いた。
そしてマントの人たちは爆発した。
セレーネは後ろに飛び爆発を何とか回避した。
グニスはヨツカの魔法によって守られていた。
ヨツカも自分自身に魔法をかけて守っていた。
爆発した場所には焦げたような跡が残った。
セレーネは着地してからグニスの元へ戻った。
「一体何が・・」
「気付いてなかったのか?」
「えっ?」
「あいつら魔法で作られた人形だ。おそらく魔法の使用者が失敗したのを知り、爆発させたんだろう」
「でもどうやってわかったんだろう。グニスさんが周りには他にいないって言ってたから近くにはいないんでしょ?」
「まあこの近辺にはな。少し離れたところから監視はされていたぞ」
「ええぇぇぇ!?何で言ってくれなかったんの!?そいつは今どこに!?」
「もういないぞ」
「逃がしたの!?せっかく情報を得られるチャンスだったのに!?」
セレーネはグニスを問い詰めた。
「別に逃がしてないぞ?あと情報は得ることは出来ないと思っててくれ。それと顔が近い」
セレーネは顔が近いことに気付き、焦って離れた。
「すすす、すまない」
セレーネは照れて下を向いた。
しかし、すぐにその照れは無くなった。
背後からの殺気に気付いたからだ。
セレーネはこの感覚を知っていた。
恐る恐る後ろを確認すると、そこには殺気を放っているヨツカが立っていた。
「よ、よよよ、ヨツカさん?」
「何でしょうか?」
顔はいつもと変わらないが、殺気だけが放たれている。
「わ、私・・何かしましたでしょうか?」
「いえ、何も?ただ虫が飛んでいるな~と」
「・・・虫・・ですか。それって私の事・・ですか?」
「そうとは言っていませんが、どうして貴女だと思ったのでしょうか?」
「ヨツカ。その辺にしておけ。殺気はともかくさっきの爆発で近くにいる人が騒ぎに気付いてくるかもしれないから、先にやるべきことはここから離れることだ」
グニスは見かねたのか、止めることにした。
「殺気も止めてもらえると助かるんですが・・」
セレーネは止めてもらえるようにお願いする。
「それはヨツカの意思で止めることだからな。俺が止めさせるのは違う」
「そ、そんな・・」
セレーネは希望を打ち砕かれたような顔をした。
「・・・だが、その殺気を放ったままなのは目立つから俺も止めてほしいのは確かなんだがな」
その言葉を聞いたヨツカは殺気を放つのをやめた。
セレーネは殺気が消えたことに安心した。
「そうですね。とりあえず目立たないようにするためにここを離れましょうか」
ヨツカは魔法で焦げた跡を元に戻した。
グニスがしようとしたことを先にしたのだ。
「それじゃあギルドに行くんだな?」
「え、ええ。今起きたことをリラに話に行かないとね」
「じゃあ報告はセレーネに任せる。俺たちは奥の訓練場を使わせてもらっておくよ」
「わかったわ。行きましょう」
三人はギルドに向けて歩き始めた。
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