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~いざ、エルロッテ国へ~10

四人は受付の方へ戻ってきたが、受付の奥にある部屋に通された。

部屋の中は円形型になっており、中央の台座には直径三十cmほどの水晶が置かれていた。

台座にはそれ以外に何かを置くためのスペースがある。

そのスペースに受付のリラが何も書かれていない白色のカードを置いた。

「こちらの魔力水晶に触れることで鑑定が行えます。鑑定はその人の名前、種族、魔法属性、強さレベル、魔力量、使用できる魔法属性、犯罪の経歴がわかります。もっと詳しく見ることも出来ますが、ギルドでは今お伝えした内容だけとなります。冒険者として必要な事ですので、その方に見合った依頼を受けていただくためです。ギルドカードには名前とギルドに所属していることを証明する文字だけが見えるだけなので、個人情報などは表示されないのでご安心ください。登録内容の確認をするときは冒険者同士の揉め事を回避するため、こちらの台座にカードを置くことによって鑑定した情報を見ることが出来ます。また、こちらで更新することも可能ですのでご利用の際は受付にお話していただければと思います」

「わかった。それじゃあヨツカから」

「わかりました。それではヨツカ様。こちらの水晶にお手を」

ヨツカは水晶の前に歩いて行った。


グニスは念話でヨツカに話しかけた。

『種族はそのままでいいのか?』

『はい。誇りがございますので。それに情報がカードに表示されないのでしたら気にすることもないでしょうし』

『そうか。魔法は模擬戦で使った分だけを鑑定されるようにしておく』

『申し訳ありません。目立たないようにと仰っていたのに、あんなに魔法を使ってしまって』

『まぁそこは神狐族ってことでどうにかなるだろ。強さレベルに関してはBくらいで他はCにしておく。魔力量はどれくらいが普通かわからないからとりあえず1万程度にしておく。犯罪に関しては多分大丈夫だと思うが、念のため犯罪無しにしておく。俺たちが犯罪と思っていなくても犯罪だった可能性もあるからな』

『かしこまりました。それではそのようにお願いします』


この会話の意図としては、規格外の力を隠すためだ。

俺の隠蔽を使えば可能だろう。

明らかに俺たちの力が規格外なのは盗賊たちでもわかっていたが、模擬戦ではっきりした。

あのセレーネという子。

彼女がこのギルドで一番強いと言われていてヨツカが圧倒した。

そのヨツカを俺が圧倒しているんだ。

これ以上目立つのはまずい。

この二人にも口外しないようにしてもらいたいが、どうしたものか。


グニスが考えていると、魔力水晶が光りだした。

ヨツカが魔力水晶に触れたのだ。

少ししてから魔力水晶の上に鑑定した結果が表示された。

「やっぱり神狐族だったんだ」

セレーネが一言。

魔法属性は水。強さレベルB。魔力量1万。使用できる魔法属性は火、水、風、地、光、闇。犯罪経歴なし。

「このことはさっきも言ったが」

「わかってる。口外しない。リラにもしっかり言っておく」

「助かる。それと他の情報も黙っていてくれると助かるんだが」

「それは気にしなくていい。私とリラは口が堅い方だ。話すのはこの四人しかいないときにするさ。他の人がいる時は話さないさ。冒険者といえ個人の情報を他に言いふらすことはしない。信用してくれていい」


・・・信用は出来そうだな。

心の内でもそう言っているし。

なぜこんなにも強くなるのか気にはなっているようだな。

しかし、雷と氷は表示されないんだな。

複合属性だからなのだろうか。


表示されていた結果は魔力水晶に入り、光が消えた。

その代わりギルドカードが少しだけ光った。

リラがカードを取り、ヨツカに渡した。

「はい。これでヨツカ様のギルド登録が完了しました。このカードが身分証となりますので失くさないようにお願いします。再発行するには少々面倒な手続きなど必要になりますので」

ヨツカは無言で受け取り、グニスの元へ戻った。

「それではグニス様。お願いします」

グニスも同じように魔力水晶に触れて鑑定結果が表示された。

魔法属性は風。強さレベルB。魔力量1万。使用できる魔法属性は火、風、闇。犯罪経歴なし。

表示された結果は魔力水晶に入って光が消え、同じようにギルドカードが少し光った。

リラがカードを取り、グニスに渡した。

「これでグニス様もギルド登録が完了しました。これからよろしくお願いします」

「ああ。今日作ってもらえて助かった。ありがとう」

「いえ、知り合いをお待たせしているのでしたら仕方ありません。・・それにしても驚きました」

「何がだ?」

疑問に思ったグニスは思わず聞き返してしまった。

「魔力量です。1万なんてとんでもない事です。魔法が得意な方でもそこまで多くないんですよ?」

「・・・ちなみに多くてどれくらいなんだ?」

「そうですね~・・・。私が聞いたことがある中で一番多いので2300ほどだったと思います」


・・・これはやってしまったな。

あらかじめ調べられたらよかったんだが、家の本には魔力量の上げ方とかしか書いてなかったから普通がわからなかったからな。

ここは仕方ないとしよう。


「それに使える魔法が複数あるなんて」

振り向くとセレーネが話しかけてきていた。

「2属性は見たことあるけど、3属性なんて。珍しいわね」

「ん~・・・。他の属性も使ってみたいなって思ってな。闇属性は攻撃の他にも普段使う魔法も使えるから便利なんだよ」

「「えっ?」」

グニスの言葉にセレーネとリラは同時に驚いた。

「ちょっと待って。闇魔法って話で聞いただけなんだけど、召喚魔法だけじゃないの?」

「それにその召喚魔法って魔物みたいなものしか呼べないとか。闇属性の人はあまり見たことありませんが、闇属性は不遇とされているんです」

「全然違うぞ?確かに召喚魔法も出来るが、魔物だけじゃなくて動物も可能だ。それにさっき模擬戦でヨツカが闇属性の魔法を使っていただろ?槍のような形にしていて飛ばしていただろ。他の属性と同じように使える。闇属性はそれに加えて召喚魔法、空間魔法が使えるぞ」

「「空間魔法???」」


空間魔法を知らないのか。

この世界の人がどれほどのことを知っているのかも知らないといけないな。

その意味を考えると学園に行くことは良かったのかもしれないな。


「空間魔法ってのはその名の通り空間に干渉する魔法だ。他の属性と違って闇属性は空間に干渉できるんだ。厳密に言えば召喚魔法も魔法陣から魔物や動物が出てきているだろ?つまり、召喚魔法も空間に干渉して別の場所にいる魔物や動物を連れてきているんだ。魔力が好みだったり、相手が興味を持ったらこちらへ来るといった感じだ。契約すれば呼んだときに契約した魔物や動物が来られないとき以外は来てくれるって感じだな。契約にも相手の条件を聞く必要もあるがな」

「なるほど。召喚魔法ってそんな感じだったのね。疑問に思うことがなかったわ」

「例えば荷物が多い時、セレーネならどうする?」

「私は荷物を入れることの出来るアーティファクトを持ってるからそこに入れるようにしているけど、持っていなかったときはカバンに入れて入らない物はパーティと手分けして持ったり、何回かに分けて持っていってたわね。このアーティファクトも容量が大きいというわけではないから、多く入らなくてね。その時はカバンに入れてるわ」

セレーネの腰に小さな小物入れのような物が付いている。

セレーネはそれを見せるようにした。

「そういう状況を解消してくれるのが闇属性で使えるアイテムボックスだな。容量は個人の魔力量によるが、かなり便利なんだ。見せた方が早いな」

そう言ってグニスは分かりやすいように右手を前に出した。

その先に空間の裂け目のようなものが現れた。



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