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~この世界で俺は~19

「えっ!?」

リーシャは驚いた。

シューゲンはリーシャの前に立ち、右手で剣の柄を持ちいつでも抜刀が出来るよう警戒態勢を取った。

急に現れたのだ。当然警戒するのも無理はない。

「大丈夫だ。俺の仲間だ」

「仲間とはもったいないお言葉です!私はグニス様の忠実なしもべです!」

ヨツカは照れながらグニスの元へ来た。

「彼女は俺と一緒に暮らしてるんだ。俺だけ学園に行くと彼女を置いていくことになってしまうから、よければこの子の分ももらいないか?」

シューゲンはまだ警戒している。先ほどの魔物の事もあったので警戒を解けないようだ。


まだ警戒を解かないんだな。

隊長として立派ではあるけど仲間にいつまでも警戒されるとちょっと思う所があるな~。


いつまでも警戒態勢を解かないシューゲンに対しヨツカは、

「いつまでもその状態ですと、いくらグニス様が助けた人族とて殺しますよ?」

ヨツカは怒っていた。殺気と魔力をシューゲンに放った。

近くにいるリーシャにもそれは伝わった。

シューゲンの体は震えた。そしてそれはリーシャも同じだった。

とてつもない圧力を感じている。

今何かをしたら殺されてしまうと悟っている。

「ヨツカ落ち着け。彼は騎士の隊長として当然の仕事をしているんだ。急に現れたヨツカを警戒するのは当然だ。俺だって逆の立場なら警戒する。だからその殺気と魔力抑えようか。そんなに放っていたら彼も動けないだろ?」

この状況のせいで恩を売った行為が無駄になることを考え、優しく伝えた。

周りから見たらグニスの言動は少し怖い雰囲気に見えるという程度だがヨツカは違った。

その裏にとてつもない程の殺気が混ざっていることに。

ヨツカはすぐに殺気と魔力を放つのをやめ、すぐグニスの方を見て土下座をした。

「ももも、申し訳ありませんでした!!!」

「ちゃんと話せばわかってくれると思うから」

殺気と魔力が無くなり、シューゲンは膝をつき、リーシャは腰が抜けたのか座り込んでしまった。

「悪いな。あとでちゃんと言っておくから。この子は悪い子じゃないんだ。だから警戒はしないでやってほしい」

グニスは怒ってないことを伝えるためヨツカの頭を撫でた。

ヨツカは気持ちよさそうな顔をしている。

(グ・・グニス殿は本当に何者なのだ?あんな殺気と魔力を放つ者を一瞬で抑えるなんて・・。仲間と言っていたときに警戒を解いておくべきだった。今までの死地を超える程の居心地だった。グニス殿だけでなくお仲間の方も敵対してはいけないみたいだな)

(なんなのあれ?生きた心地がしなかったわ!魔物なんて可愛いものじゃない!今まで出会った魔物も強かったけどあの子は別次元よ。この人達のお仲間を敵に回しては絶対駄目ね)

リーシャとシューゲンはそれぞれ違うことを思ったが、敵対しないということだけは同じだった。

「立てるか?」

グニスはシューゲンに右手を差し出した。

「え、ええ」

シューゲンはグニスの手を取り、立ち上がった。

「リーシャも立てるか?」

続けてリーシャにも右手を差し出した。

「は、はい。立てます」

リーシャも手を取り立ち上がる。

「それで紹介状の件はどうだ?もしかして今ので駄目になった?」

その言葉を聞いてヨツカの耳は曲がり、尻尾も元気がなくなった。体にも力が入っていない。相当落ち込んでいる。

「紹・・介・状???」

先ほどの出来事でリーシャの頭は回っていなかった。

「さっき言った礼のことだ。俺一人で学園に行くとこの子を一人で置いていくことになってしまうから、出来れば一緒に行きたいんだが」

その言葉を聞いてようやくリーシャの頭が回った。

「あっ!そうでしたね!もちろんいいですよ!シューゲン、紙は持ってきてるわよね!?」

「はい!馬車の中にあります!すぐに取ってきます!」

シューゲンはまだ体力も回復してなく、先ほどの殺気と魔力により気力も無くなっていたのでフラフラになりながら馬車に歩いて行った。


周りの騎士たちも意識を取り戻し、シューゲンを支えながらこちらに戻ってきた。

「リーシャ様。こちらです」

シューゲンは持ってきた紙をリーシャに渡した。

その場でリーシャは紹介状を書き、グニスに渡した。

「他に何かあれば何でも言ってください。これだけではお礼として何も返せてないので」

「今はこれだけでいい。他に何も思い浮かばないからな」

グニスは紹介状は懐に入れていた自分の招待状と一緒に収納魔法の中に入れた。

「・・・やはりそれは収納魔法ですね。その魔法は覚えるのが難しいと言われている魔法なのですが。・・やっぱりグニスさんはすごいお方なのですね」

リーシャはまじまじと収納魔法を見ながら言った。

「ん?簡単だぞ?この程度ならリーシャでも一日あれば覚えられるんじゃないかな」

「えっ!?そうなのですか!?ぜひ教えてください!!!」

リーシャはグニスに詰め寄った。

ヨツカは嫉妬なのか後ろで不満そうな顔をしている。

「それは半年後。それじゃあ俺たちは帰るよ。騎士たちも起きたみたいだし、他に今は裏切り者はいないし魔物さえ気を付けたら安全に帰れると思う」

グニスはリーシャたちに背を向けて歩き始めた。

ヨツカもグニスの後を歩いている。

「助けていただいてありがとうございました!半年後を楽しみにしています!」

グニスは歩きながら手を振り、森の中に入っていった。


「皆!帰国の準備を!」

シューゲンの合図とともに騎士たちは支度を始めた。

「・・・シューゲン。話があります。帰りは馬車の中へ」

「・・・かしこまりました。外の警戒は彼らに任せます」

あの二人についての話だとすぐ理解したシューゲンは、リーシャを馬車に案内して今後の話を馬車の中で話する旨を騎士に伝え、シューゲンも中に入った。

そして馬車は動き出し、エルロッテへと向かい始めた。



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