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~この世界で俺は~17

何度か攻防をしたが、魔族はあまりダメージを受けている感じがしなかった。

そして、リーシャが最後の魔法を放って、

「はぁ・・はぁ・・。シューゲン、ごめんなさい。・・もう・・魔力が・・」

「リーシャ様はお逃げください!時間は私が稼ぎます!」

「駄目よ!貴方も逃げるのよ!」

「主君を守るのが我が勤めでございます!お逃げください!」

最後の魔法で距離を開けられていた魔族は再び突撃してきた。

「シューゲン!」

「貴女を守れて私は満足です!」

魔族は右手を振り上げていて、シューゲンに向けて振り下ろされた。


しかし、再び魔族は飛ばされていた。

今度は何が起きたのかリーシャはわかった。

シューゲンの前にグニスが立っていた。

「・・・グニスさん?」

「・・・グニス殿?」

グニスは顔だけ振り返って二人を見た。

「ごめんな。さすがに見てられなくなって。魔力も体力も尽きたんだろ?休んでていいぞ」

グニスは再び魔族の方を見た。

「ま、待って!いくらグニスさんでも危険です!グニスさんだけでもせめて逃げてください!」

「そうです!助けていただいたグニス殿を危ない目に合わせるわけにはいきません!」

「いいからいいから」

魔族は態勢を立て直してすぐにまた突撃してきた。

グニスは魔法で剣を取り出し、右手で握った。

収納魔法で収納していた剣を転移魔法で取り出したのだ。

「えっ?今のって・・・」

リーシャは驚いていた。

「せっかくの縁だからな。少し俺の技術を教えてあげる。まずはシューゲンさん。どうして剣に魔力を纏わせなかったんだ?」

「えっ・・?剣に魔力・・ですか?そのような事出来ませんよ。体ならともかく体とは違う剣に魔力は通せないというのは当然のことではないですか」

「それが間違い。剣は体とは別って考えているからいつまでも出来ない。剣を体の一部として思えば出来るんだ。・・・このように」

グニスの持っている剣が魔力を纏い少し光っている。

「なっ!?そんな!?」

「噓でしょ!?」

「少しコツを掴むのが難しいかもしれないけど、これが出来ればあの魔族も・・・」

魔族はグニスの近くに来ていたので剣を振り魔族を切った。

魔族はそのまま地面に落ちた。

「こうやって切ることも出来たんだ。多分シューゲンさんならすぐ出来ると思う」

「こんなことが・・」

「次はリーシャ」

「えっ!?私も!?」

リーシャは少し驚いて自分を指差した。

「そうだな~。悪くはなかったけど、なんでずっと同じ魔法を同じ威力で使っていたんだ?」

「えっ?魔法は強さレベルを上げることでしか威力が上がらないし、同じ魔法を使っていたのはまだその強さレベルが低いからですが・・」

「魔力操作は?」

「魔力・・操作・・。なんですかそれ」


・・・そうでした~。

この世界の人は強さレベルっていうのに囚われていて、魔力操作で威力を調整できることも、イメージだけで魔法発動が出来ることを知らないんでした~。

・・・魔力操作については言っちゃったし、イメージの事だけ隠して話せばいいか。


「えっと~魔力操作って言うのは、その名の通り自分の持っている魔力を操作して魔法の威力とかを調整することだ。魔力制御って言葉でもいいかもしれないな。これも例として魔法を使ってみるが」

魔族は痛みに耐えながら少しずつ立ち上がろうとしている。

その魔族に左手を前に突き出して火の玉を飛ばした。

火の玉は魔族に当たり、少しだけ吹き飛ばされた。

「・・・今、詠唱を・・」

「このように魔力操作をして威力出さずに吹き飛ばすだけの事を操作して調整したのが今の魔法。そして、スピードと威力を操作した火の玉が・・」

そう言って魔族に向けて火の玉を放った。

スピードは先ほどの火の玉とは違く速い。そして魔族に当たるのと同時にすさまじい威力で爆発した。

衝撃がグニスたちまで届き、強風が吹いている。

「きゃあああーーー」

「くっ・・・」

リーシャとシューゲンは飛ばされないように耐えた。


風が収まり、爆発元をリーシャとシューゲンは確認した。

そこには大きな穴もなく、周りに被害が出ていない。

その場には魔族が倒れていた。

「あの爆発で周りに被害がないなんて」

「そこは考えていた。地面や周りに被害が出ないように、爆発と同時に炎と威力は上に上がるようにした。まあ直撃した彼には大きなダメージは入ったと思うけど」

グニスは魔族の元へ歩いて行った。

リーシャとシューゲンは体力と魔力切れによりまだ動けないでいた。

「こんなこと・・・今まで勉強してきたことって一体・・」

「私もこの目で見ていなければ信じられないことでした・・。グニス殿は一体何者なのでしょうか・・・」

「・・・わからないわ。でも一つだけ確かなことがあるわ」

「・・・ええ。私も同じことを思っております。」


「「あの人と絶対に敵対してはいけない!」」

二人の考えは同じだった。

「しかしあの者を放っておくのもどうかと思います。何とかしてエルロッテへ来ていただくことは出来ないでしょうか?」

「・・・そうね。監視というわけではないですが、あの人とは良きお付き合いをしたいと思います。・・・あっ!一つあるわ!」

リーシャは何かを思い出した。

「グニスさんに学園の招待状を渡してあります!誘拐犯から救っていただいたときに私の直筆で!」

「それでしたら問題ありませんが、我々でも知らなかったことを知っているグニス殿に学ぶことがあるのでしょうか?」

リーシャは根本的な問題に悩んだ。

「そこなのよね。渡した時も断られそうだったから無理やり渡したような感じでしたから。・・・私がもう一度頼んでみます」

「わかりました。・・私は少し動けるようになったのですが、リーシャ様は?」

シューゲンはそう言いながら立ち上がった。

「私も少しなら動けそうだわ」

リーシャも立ち上がり、グニスの元へ歩いて行った。



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