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~この世界で俺は~14

少し経った後、言い争っていたリーシャとシューゲンは落ち着いたようだ。

「こんなこと言い争っている場合じゃなかったわ。それでシューゲン。貴方に声をかけた騎士はどこにいるのですか?」

リーシャは真剣な表情をしてシューゲンに聞いた。

雰囲気が変わったことを悟り、シューゲンも気を入れ直した。

「それでしたらあちらに」

シューゲンの視線の先にその男はいた。

「彼を連れてきてもらえる?」

「かしこまりました。少々お待ちください」

シューゲンは歩いてその騎士の元へ歩いて行った。

グニスはシューゲンが歩いて行ったのを確認してから、

「一応言っておくが、俺が知っているのはあの人だけだからな」

「ありがとうございます。他の者が仲間というのはわかりますか?」

「まあ、知ろうと思えばわかるけど」

「でしたらお願いしてもよろしいでしょうか?もし仲間がいた場合、あの人同様取り押さえておきたいので」


そうだよな。

敵かもしれない人が紛れていると落ち着かないからな。

仕方ない。

今回限りで関わっているわけだし、手伝ってあげるか。


グニスは心を読むことが出来る魔法、名付けるのであれば読心魔法〈マインドマジック〉を使った。

騎士たちはリーシャが無事なことに安心している。

念のためここ最近の過去も覗いたが、問題なさそうだった。

例の男以外そのような感じであった。

例の男は、

(なんなんだ!何で失敗しているんだよ!隊長はこっちに来て付いてきてくれって言うし!もしかして俺が加担しているのがバレているのか!?・・いやそんなはずはない。誰にも見られないようにしていたし、魔法で見られている気配もなかった!バレるはずがないんだ!きっと隊長を別の場所に連れて行ったことを聞かれるはずだ。聞かれたときのことも考えているから大丈夫だ)


「あいつ一人だけだ。他は心配ない。・・・とりあえず今は・・だが。今回の事に関わっているのはあいつだけだから安心していい」

「もうわかったの!?」

リーシャが頼んでからわずかな時間でわかったのだからリーシャはかなり驚いていた。

「ああ。ちょっと時間がかかったかもしれないが」

「早すぎるわよ!どうやってわかったの!?」

「んーーー。秘密ってことで。あまり詳しく話したくないんだ」

リーシャはわかりやすいように落ち込んでいた。

「まあ話してもいいかなと思えるくらいになれば話してやるよ」

「そ、そうね。そうしてもらいたいわ。とりあえず今はあの騎士をどうするかよね」

隊長と一緒に例の騎士も歩いてきた。

騎士は少し動揺している。

「リーシャ様、連れてきました」

「ありがとう。シューゲンは少しだけ下がってなさい」

「かしこまりました」

シューゲンは騎士の後ろに下がった。


「君、何か言うことはありますか?」

「な、何かですか?私からは特に何も言うことはありませんが、一体どうしたのでしょうか?」

「・・・。ではまずシューゲンや他の騎士たちをほとんど連れてどうしてあちらの森に行ったのでしょうか?」

「はっ!何かの姿が見えたので、もしかしたらリーシャ様ではないかと思いまして。隊長にご相談して確認しに行きました!もし魔物でしたらここら辺の魔物は手ごわいので人数がいた方が安全に対応が出来ると思いまして!」

騎士の挨拶ポーズを取り、リーシャの問いに答える。

「シューゲン、それは本当かしら?」

「はい。間違いありません。リーシャ様でしたら見つけられていいことですし、魔物でしたらこちらも危険があるかと思いましたので、彼の言い分を尊重し確認へ行かさせていただきました。全員連れていくわけにもいかなかったので、数人こちらに残しての確認でしたが」

「そう。それで君は私が誘拐された方とは違う方向へ案内したのね。誘拐した人たちに協力して」

周りの騎士も隊長も例の騎士も驚いていた。

「そ、それは本当ですか!リーシャ様!?彼が誘拐犯の協力者だと!?」

「ええ。でも私が調べたというわけではないけどね。グニスさんが警告してくれたの。誘拐犯の内通者がいるって。それが君よ」

シューゲンは聞いた後、腕を組んで待機しているグニスの方を向いた。

グニスはその視線に気づき、頷いた。

「どうやって調べたのか教えてはくれなかったけど、グニスさんは私を助けてくれた恩人です。それを疑うことなど出来ません。なので事実確認を取らせていただこうかと」

「しかし、いくら助けていただいたからといって、そこまで信用できるものでしょうか?言葉だけでしたら誰でも簡単に言えますし、嘘を言っていることもあるのではと」

シューゲンは当然の疑問を抱いていた。

シューゲンは隊長としての責任を果たしている。

シューゲンの言った疑問は周りの騎士の代弁であって、グニスのことは信用していた。

少しだけしか話していないが、シューゲンの直感がグニスは信用できると思っていた。

「本当はグニスさんの言葉だけでいいのですが、それだけでは貴方達騎士が納得いかないでしょう。なので今この場で事実確認をしています」


隊長も大変だな~。

むしろ普通に隊長さんも俺の事信用しすぎなのではないか?

見ず知らずの人が姫様と一緒にいる時点で怪しんでいいと思うんだがな。


「それで君。どうなの?」

「い、いえ。私はそのような事を思って行動したわけではございません。そのようなマントを被った誘拐犯など知りません。私はリーシャ様が心配でちょっとした動きに気付いて隊長に相談しただけなんです」

リーシャはニヤリとした。

その表情をグニスとシューゲンは見ていた。

ニヤリとした理由を分かったのはグニスだけだった。


・・・あいつ、終わったな。

自ら墓穴を掘るとは。


「そう。シューゲン。1つ聞かせてもらえる?」

「はい。どうされましたか?」

「貴方は私を誘拐した人を知ってる?」

「いえ。私は何も。姿も見ておりませんし、どのような人物か存じ上げませんが」

「そうよね。誘拐犯の姿を見ているのは3人だけなの。誘拐された私と、助けてくれたグニスさん、もう1人は・・・もう言わなくてもシューゲンならわかるわよね?」

シューゲンは顎に指を当てて、考えた。

「・・・お二人以外ですと、別の誰かが加入してきた・・・というのはないでしょう。こちらに戻ってきたのはお二人だけだと聞いております。それでしたら・・・はっ!」

シューゲンは気付いてリーシャの方を見た。

リーシャは頷いた。

そしてグニスの方も見た。

グニスも同じく頷いてた。

「もう一人は・・・誘拐犯の協力者。計画を企てているということは当然会って話をしているに決まっている。そして我々騎士たちはその姿を見ていない。つまり、姿を見ていないはずの彼が知っているのはおかしいということですね」

シューゲンの視線は例の騎士に視線を送った。

「えっ!?私も何も知りませんよ!誘拐犯の姿なんて何も知りませんし、見てもいません!」

「・・・君。自分でさっき言ったじゃない。【マントを被った誘拐犯】と」

例の騎士は驚き目を見開いた。

周りの騎士たちもそういえば言っていたようなと話し始めている。

例の騎士は何も言えず固まってしまった。

「さて、君はどうして誘拐犯がマントを被っていると知っているのですか?誰も誘拐犯の事は知らないはずなのですが」

リーシャは睨むようにして騎士を見た。

「え、あ、あの・・それはですね・・・」

騎士はかなり焦っている。

そこへ、

「リーシャ様~!」

後ろから声が聞こえた。



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