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~この世界で俺は~12

「とりあえず気絶させているだけだから、向こうにいる騎士にお願いして捕縛してもらってくれ」

そう言いながら口を塞いでいる布を取った。

「えっ?・・あっ、は、はい」

女性は恥ずかしがっているのか頬を赤らめている。

グニスは女性を座らせて手足を縛っている縄を手で切った。

正確には魔力を刃状にして縄を切ったのだ。

「それじゃあ俺はこれで」

グニスは振り返り立ち去ろうとした。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

女性は慌ててグニスのズボンを掴んだ。

「あの、助けていただいて、あ、ありがとうございます。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「俺の事は気にするな。偶然居合わせただけだ」

グニスは歩き出そうとするも女性は手を離さなかった。

「いえ、そういうわけにはいきません!助けていただいたのでお礼の一つはさせてください!」

「いいって。こういう時は男に格好つけさせるもんだ」

「そう言うのでしたら男でしたらお礼の一つでも受け取るべきなのではないですか?」

女性は少しいたずらな感じで二やついていた。

グニスはその表情を見てため息をついた。

「本当に何もいらないが聞くだけ聞く。それでそのお礼ってのは?」

「まずお名前をお教えいただけませんか?」

女性は立ち上がりながら言った。

「グニスだ」

「グニスさんですね。私はリーシャと言います。以後お見知りおきを。グニスさんはおいくつなのでしょうか?」

「それ関係あるか?」

「ええ。見た感じ私と同じご年齢なのではないかと思いまして。ちなみに私は14歳です」

「同じだな。それが何かあるのか?」

「ええ。グニスさんは15の年齢になったら学園に通うことになるのでしょうか?」

グニスは少し考えてから、

「通うつもりはない。通っても意味がなさそうだからな」

「いえ。学園を卒業することでしか得られないことがあります。その得られることは王宮にある書庫への出入りです。その書庫には世に出ていない魔法のことやずっと昔の歴史が書かれた本があります。王宮でしか見られないので知らない魔法の事を知ることが出来ます。会得できるかは適性や個人の努力次第なので絶対とは言えませんが」


なるほど。

しかし歴史の事も魔法の事も小屋の本でわかっていることだし。

そこにも存在しない本だとしたら確かに興味はあるが。

だが時間がもったいない。

認識阻害とか使えば忍び込むことも出来るだろうから、そもそも通う必要はないかもしれないな。


グニスが考えている間にリーシャは紙に何かを書いていた。

「こちら学園への紹介状です。私の直筆ですので入学試験当日に行っても試験を受けることは出来るでしょう。試験はちょうど半年後ですのでお待ちしております」

リーシャは紹介状をグニスに無理やり渡した。

「いや、俺は・・」

「では、こちらがお礼ということで。私も戻らないと皆が心配しているかと思いますのでこれで」

リーシャは走って騎士たちがいる方へ走っていった。

「ちょっと待った」

リーシャは立ち止まり、振り返った。

「あの騎士の中にこいつらと繋がっている奴がいるぞ。騎士たちを連れて反対側に連れて行った奴だから騎士たちに聞けばわかると思う。信じる信じないかは君次第だが一応教えておく」

リーシャは驚いていた。そして再びグニスの元へ戻ってきた。

「それは本当なのですか!?」

すごい勢いでリーシャが詰め寄ってきた。

「あ、ああ。本当だ」

リーシャは小声で何かを言っている。

「以前から城の中に内通者を疑っていましたがこの中にいるとは。好機とも言えるけど一人だけとは限らないわけだし・・」ボソッ

「リーシャ?」

グニスには小声の内容は聞こえていたが聞こえないふりをした。

「あっ、すみません。グニスさん助けていただいて申し訳ありませんがもう少しだけ私にお力をお貸ししていただけませんか?」


城って言ってたわけだからこの子は城のお姫様ってところかな。

その姫様に恩を作っておくのはいいかもしれないな。

それにグランタについて何か情報が得られるかもしれないし。


「・・・俺も忙しいが何か訳がありそうな感じみたいだしいいぞ」

「ありがとうございます!それでは参りましょう!」

リーシャとグニスは騎士達の元へ走っていった。



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