5 お前には、母上のおっぱいは早すぎる
俺は現在、腕を組んで仁王立ちし、回復したドラゴンの背にライドして空を飛んでいる。
赤きドラゴンと漆黒の赤子が夜の大空を支配する。
スーパーハードボイルドの赤ん坊とは俺のことだ。
ドラゴンに実力の違いをたたきこんだ俺は、生物の頂きたる俺に忠誠を誓わせた。なので、あの荒々しかったコイツも今じゃ忠実な下僕だ。
夜空を舞うドラゴンのスピードは中々のもので、装備している漆黒のタオルケットがヒラヒラとはためく。
頭のうぶ毛が風で抜けないかが心配だ。
しばらく飛んでいると、目的地が見えてきたので可愛い赤ちゃんの短い指で指差した。
「ばぶばぶ!」
あっ、ちなみに、声は赤ちゃん言葉に戻っている。魔法の効果がきれたみたいだ。中々のイケボだったので将来の成長が大変楽しみである。
空から見下ろした場所には、愛しの我が家がみえた。
俺は初めてのお使いを達成したような気持になり嬉しさがこみ上げてくる。
本当は母上に報告して頭をよちよち撫でてもらい褒めて欲しかったけど、これは秘密のミッション。残念だが諦めるしかない。
(どうする、家の真上まできたが着陸するか?)
(いや、ばれたら大変だからここで降りる)
千メートルほど下に見える家を見て言った。
このくらいの高さ、最強の俺にはなんともない。
(では、俺がお願いしたように頼むぞ!)
(まかせろ、このまま向かう)
それだけ確認すると、俺は実家へと飛び降りたのだった。
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「はーい、ルーちゃん朝ですよ」
「ばぶぶぶ、ばぶばぶばば、ばぶばぶ」
完全に寝不足のまま目を覚ました。
母上が部屋のカーテンを開けて太陽の光が部屋に充満する。
成長期だというのに、あのアホ貴族のせいで寝不足だ。昨夜は頑張りすぎた。
この愛らしい丸いわがままボディーは睡眠を欲している。
俺は漆黒のマント、もとい涎のついたタオルケットを頭にかぶったが、すぐに母上に取り上げられてしまう。
「あら、いつの間にかずいぶんと汚れているわ。これは洗濯しなくちゃね」
「ばぶばぶ、ばぶばぶ」
必死にお願いするが無慈悲にもマントは奪われてしまった。
いつになく厳しい母上に俺は絶望する。
まだ寝たりないのだっ、昨日調子にのってコーヒーまで飲んだせいで家に帰ってもすぐに眠れなかったんだよっ。
「さあ、おきましょうねルーちゃん」
俺を持ち上げようとする母上に、いやいやと頭を横にふる。
もしかするとこれが反抗期ってやつだろうか。
ふっ、体は正直というわけだ。俺はもう指一本動かせ・・・
「おっぱいの時間だよー」
「あびゃびゃびゃびゃ」
むしゃぶりついた。
疲れなんて一瞬でぶっとぶぜ。
「ばぶばぶばぶ」
「いつもいっぱい飲むけど、今日はすごいなぁ」
最高なエナジードリンクを飲んで改めて決意する。
俺のマンマミルクを横取りしようとする奴には容赦はしない。この至高の乳は俺だけのものだっ!
誰にも渡してなるものかっ
あのくそ貴族におしえてやる、母乳戦争で俺に勝てる奴なんて存在しないことをな!
お腹いっぱいになって、ぐったりと相棒のベッドに横になる。
自然と瞼が重くなり、目を閉じると母上がよちよちしてくれる。
ああ、これが幸せというやつか・・・・そのまま俺は眠った。
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突然の大声で深い眠りから目を覚ました。
昨日きいたばかりの、あの醜い伯爵の声だ。
大きな怒鳴り声で、家のどこにいても聞こえそうな声だった。
「カイリー!!! 貴様一体どんな手を使った!!?」
「はい? いったいなんのことでしょう?」
「とぼけるなっ、昨日の今日でこんな偶然があるわけがないだろっ!」
ガンっとものを殴る音がした。
おそらく怒り狂った伯爵がものにあたっているのだろう。
俺はくすくすと笑いを堪えるので大変だった。
「あの、伯爵。どういうことですか?」
「どうもこうもあるかっ! お前のところにいたドラゴンが私の屋敷に住み始めたのだ!」
「・・・・・は?」
ふふふ、ついにこの瞬間がきたか。
伯爵、お前がいったい誰にケンカを売ったのか教えてやるよ。
これは、俺の復讐のゴングだ。
覚悟はいいか?
お前の魂に刻んでやろう。
お前には、母上のおっぱいは早すぎるとな!!!!
今日中にもう一話更新出来たらします!
ブクマ評価お願いします!
頑張れます!!!!!!!!
おーほしさーまきーらきら♪ ↓