3 ざまぁすべし、悪徳貴族!
俺は家の探索をしながら、さっき見てしまった衝撃のステータスをもう一度確かめる。
忘れようとしたけど、とても忘れられるような数値ではなかった。
名前 ルーク・ベルモント
体力 ∞ (制限あり)
魔力 ∞ (制限あり)
力 ∞ (制限あり)
知力 ∞ (制限あり)
素早さ ∞ (制限あり)
防御 ∞ (制限あり)
称号 万物の頂点、最強の赤子
いやー、どう見ても強すぎる。
∞ってことはつまりあれか?
やろうとしたら、地面ぶん殴って星を破壊するのも可能ということか?
流石にやりすぎだろ。
けれど、まだ自分にそこまでの力があるとは思えない。
多分、全ての項目に(制限あり)と書いてあったから、あれは俺自身のポテンシャルだと予想する。
大きくなれば制限なく強くなれるが、可愛いベイビーの俺では全力は発揮できないのかもしれない。
まぁ、俺はそれでも十分すぎるパワーを、この丸くてキュートなわがままボディーから感じているけどなっ!
考えながら廊下を歩いている内に、父上の部屋の前まできてしまった。中から父上の声と知らない男の声が聞こえてきたので耳をすませて盗み聞きする。
「カイリーよ、はやくあの化け物を追い払わないと、この領地はもうおわりだぞ?」
「・・・はい、わかっていますが、s級冒険者を雇うお金がないので、どうしようもなくて」
会話から察するに、どうやら父上は金に困っているようだ。
「貴族が情けない顔をするな。金なら私が貸してやろう」
「ほ、本当ですか、伯爵様!?」
「ああ、もちろんだとも」
「し、しかし、私には借りた金を返すアテがありませんが?」
むむむ、なんか聞いていて気分が悪くなる会話だな。
ワクワクした気持ちで探索を始めたのに、いきなり我が家の闇をみつけてしまうとは・・・普段威厳ある渋い父上の弱々しい声は聞きたくなかったかも。
「ははは、返す必要はないさ。快く受け取ってくれ」
「あ、ありがとうございます」
一応心配して盗み聞きしていたが、どうやら問題は解決できたみたいだ。
俺は安心して次の場所目指してハイハイしようと手を動かしたが、伯爵が放った次の言葉に固まってしまった。
「ただ返済の代わりにお前の嫁、エリーナは私が貰っていくぞ? あの女は、お前のような底辺貴族には勿体ないほど美しいからな」
─────は?
なに言ってんのコイツ?
俺は一瞬頭が真っ白になって聞き間違いかと疑ったがどうやら違うらしい。
「な、なにを言ってるんです?」
「ふん、底辺にまで落ち込むと耳まで悪くなるのか? 私がエリーナを愛人として貰ってやると言ってるのだ。ありがたくおもえ」
「そ、そんなこと許可するわけないだろっ!」
そうだ、そうだ!
母上の最高のおっぱいは俺だけのものだ!
お前の入る隙間なんかねぇんだよ、ぶっ殺すぞ!?
「誰もお前の許可なんぞ求めてない。借金をするなら返済の代わりに貰うといってるだけだ。嫌なら他の者に頼むといいさ。まぁお前のような底辺に金を貸す奴がいればだがな」
「それは・・・」
「好きにしろ、だがこのままでは領民は、あの化け物に殺されると思うがね。貴族としてとるべき行動は一つしかないだろ?」
「・・・・・・」
「ああ、そうだ、ちょうどこの汚い辺境の町まで来たんだ。先払いとしてエリーナを味見したいんだが空いている部屋はあるか?」
「帰ってくれ!!」
「まあそういうな。身体の相性とかもあるだろ?」
「帰れと言っているんだ!」
「・・・・・・ふふ、まあ良いわ。気が変わったら私の所に来い。期限は一週間だ。ではな」
俺は耳を当てていたドアから人が出てくる気配を感じとり、急いで近くにあった壺の中に飛び込んで隠れた。
こっそり部屋から出てきた人をみると、口髭を生やして、腹がでっぷりと膨れた男がいた。
(こいつが母上を奪おうとしている屑野郎か。許さないぞ)
俺は忘れないようにそいつの姿を目に焼き付けておいた。
いつか必ず痛い目をあわせてやると心に誓う。
男が帰ると、父上の疲れはてた独り言が部屋から漏れてきた。
「はぁ、あんな奴に愛する妻を渡してなるものか・・・・しかし、領民も助けなければならない。くそ、どうやってあの化け物を追い払えばいいのだっ、どこかに心優しい強い人がいれば・・・」
俺はその言葉を聞いておもったね。
(父上、ここに最強の戦士がいますぞ! 俺に任せて下さい、必ずやその化け物とやらを倒して、あのくそ野郎をぎゃふんと言わせてみせます!)
俺は愛する家族を守るため、いそいそと壺の中で密かにそう決意した。
ちょこちょこ更新していきます。
良かったらブックマークとしたのお星さまをキラキラさせてください。




