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87話 予想外はない


短めです。



 



 離れた方向から感じる魔力のぶつかり合い。どちらも高位魔族特有の強い魔力。人間界と魔界を繋ぐ扉の強制施錠を始めているウアリウスは上空から魔力を感じる方向へ向いた。集中して気配を辿れば、魔力の主はユーリとベルベット。他に誰がいるかと気配を探るとアフィーリア、アイリーンとその他一人。

 大方、記憶を取り戻し魔界に戻らないと意思を見せたアフィーリアを無理矢理連れて戻そうとするユーリがベルベットの妨害を受けている、といったところ。聞きに行かなくても容易な予想。


 再度、上空を見上げ、ウアリウスにしか見えない広大な術式に銀瞳を細めた。



「うん。きっちり一時間だ」



 アフィーリアに告げた通り、二つの世界を繋ぐ扉の施錠に掛かる時間は一時間。必要な術式も魔力も揃った。時間さえ立てば、勝手に施錠される。

 記憶を取り戻し、目の前にアフィーリアがいるならユーリもアイリーンも彼女を魔界に連れ戻そうと必死になる。


 音が聞こえない辺り、王国騎士団や天使を気にして戦っているのか?ふと、気になって瞳に千里眼を“付加(エンチャント)”し光景を見ると。



「ふふ……賢いね、末っ子は」



 若しくはアフィーリアから聞いているからか。


 ユーリが打ち出す魔術を悉く打ち消すベルベットは最低限の魔力しか発せず、攻撃は魔術ではなく物理攻撃のみ。無駄のない動きでユーリの攻撃を躱し、魔力を込めて打撃力を上げた手足で応戦。防御結界で防ぎ、次々に魔術を放ってはベルベットを煽るユーリを見て溜め息を吐いた。



「強い魔力を持とうと経験と知識が浅ければ、所詮この程度か」



 己の力を過信して悪いとは言わない。強い魔族なら尚更。

 但し、時と状況を考える必要がある。



「ロゼが甘やかすからこうなる」



 己よりも強い魔力を秘めた子に力の使い方を教えるタイミングは、恐らく成人を迎えてからと推定するとそろそろ時期だろう。ロゼの場合は、自分よりも強くなるのが怖いのじゃない、力の使い方を誤り魔力の暴走を起こして大切な相手を傷付けさせない為。

 過去に一度幼いロゼは魔力を暴走させ、側にいたリエルに大怪我を負わせた。暴走の原因はウアリウス。以前アフィーリアに話した親子喧嘩がこれ。



「あ」



 親子喧嘩をした理由は、護衛の目を搔い潜って魔界に落ちて来たシェリーを天界へ帰す帰さないの言い合いから発展した。子供心に天界の姫に一目惚れしてしまい、天界に帰したら二度と会えなくなると悟っていたからだ。


 あの時ロゼに何と言ったか、と思い出していると不意に感じた魔力。これはアフィーリア。光景を見たら、ベルベットとユーリの間に立ってユーリと言い合いに発展していた。

 口の動きから察するに悪魔の魔力を感知した天使や王国騎士団が来てしまう危険性を訴えても、アフィーリアを連れ戻すのを邪魔するからだとユーリも譲らない。ユーリからしたら敵は邪魔をするベルベットで、アフィーリアの意思を尊重したいベルベットからすると邪魔なのはユーリの方。


 時間を掛け過ぎると施錠が完了し、長い時間三人は魔界へ戻れなくなる。



「やれやれ、仕方ない」



 ウアリウスにとって大事なのはアフィーリア。ユーリやアイリーンは要らない。


 見ていて退屈となるからだ。


 執事に声を掛けてからウアリウスは瞬間移動でアフィーリア達のいる場所へ向かった。






読んでいただきありがとうございます。



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