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07 議事録【2046/3/20】

あれ、なんか思ってたのと違う。って感じの書き方になっちゃいました。

序章は今回で終わりです。次からはいよいよ本編です。

ただ、その前に全体の確認をしたいので、来週はお休みとして、以前から言っていた用語集を投稿します。

正直、ここまででかなり読みづらかったんじゃないでしょうか。

できるだけ早く上達できるようにがんばりますので、見守っていただけると幸いです。

あ、でもアドバイスをくれてもいいんですよ!(というか是非お願いします)

あらすじ:

 突然MWFのゲームシステムが導入されたと思われる地球。

 MWFに関係する公式情報はすべて失われ、現状に対応するため日本政府は『MWF特殊影響特設研究対策本部(通称:特影研)』を設立し、日本人大八億議会メンバー及び円卓会議、MWF研究部と協力体制のもと、対策にあたることにした。



「皆様本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。挨拶は短く済ませます。」


 この日、官邸会議室に総理含め政府関係者九名、主要協力メンバー十一名が集められた。

その中で、前方のセンターに立って挨拶をする人物は神崎樹。

これより第一回「此度の異常現象によるMWF関連特殊影響に対する研究項目及び対策行動の立案会議」が始まる。



――議題一 世界及び日本の現状について――


――前略――


「以上が現状の報告になります。」


 最初の議題はやはり現状の情報共有。

 現在各自が持ち合わせている情報をまとめ、整理し、全員に共通認識をさせる。

 なお、発表を行っているのは神崎、発表中にも質問が出たりするが、そこは神崎をはじめとして、回答できる人が回答する形をとった。


「まあ、ほぼほぼ公表されている情報ですね。いくつか知らない情報もありましたが。」

「何度も言っていますが、情報の公開はこちらが制限しますので、くれぐれも外に漏れないようお願いいたします」

「ご心配なく、社会人としての常識ですから」


 特影研は政府の機関であるため、行政機関になる。

 その情報の公開制限は当然政府にある、とおもいきゃ、その管理権のほとんどは大八億議会に握られている。

 そもそも、この会議でもっとも情報を持たないのは政府側だ。

政府もMWFが人気なのは知っている。

 しかし、だからといってその内容を把握しているものは何人いるかといわれれば、ゼロであっても不思議ではない。


 「戦いでは、情報を持っているものが、勝者となる。」という言葉がある。

 もちろんこの場は戦いではないが、やはり情報を持っているものが自然と物事を決めやすくなる。

 それが今の特影研の現状だ。


「ちょっと質問があるんだがいいか?」

「どうぞ」

「ダンジョン探索について、発見されたモンスターはこの資料に載っているので、全部か?ボスモンスターとかは」

「わずか二日の探索でしたからね、慎重を期したこともあり、そこまでは……ですよね、藍君」

「はい。初めての探索ですので、あまり不覚まで入ってないんです。今回は戦闘をメインに確認しました」


 うそである。

 実際にはキングゴールドガチポンという、中ボス級モンスターと出会って、討伐もしている。

 中ボス級のモンスターというだけで、ボスモンスターではないという点で見れば、完全にうそというわけではない。

この発言で、キングゴールドガチポンの発見は完全に伏せられた形になった。


 なぜそのようなことを行ったか、それは神崎すらもまだ教えられていない。

 つまり、結城藍の采配なのだ。


「そうか、ならこれからはそれについても調べていく必要があるな」

「それについてですが、そういったことは誰が調べるんですか。四月に入れば学生は学校が、私たちは明日にでも会社があります。なにか策はとられているんでしょうか」

「ご安心ください、すでに準備を整えています。詳しくは議題五で」

「わかりました、ありがとうございます」


「他にはございませんか?それでは議題二に移ります」


――中略――


――議題五 調査部――


――中略――


「では調査部もDCDのメンバーがメインに行うと」

「はい、もちろん先も言ったように、皆さんそれぞれに仕事が割り振られています。ただ、我々のネットワークがやはり便利ですし、情報はすべて一旦我々の方に集められますので、その方が良いかと」

「ぼくたちとしては楽でかまわないが、DCDに負担がかかりすぎないか?研究や対策もやるんだろ?」

「問題ありません。我々が行っているのはあくまで整理。実際には滝川さんたちのほうが大変だと思いますよ」


 特影研は政府側とプレイヤー側で分かれている。

 これは正式に分かれているというよりかは、あくまで政府側のみが特影研であり、プレイヤー側は協力者に過ぎない。

 そのため、わかりやすくするために、政府側のことを本部というようにしている。

 滝川とはその本部の最高責任者の名前である。


「特影研本部としてはそれで問題ありませんか」

「今のところはありません」


 今のところは無い。

 その言葉がそのまま正しいかといわれれば、うそである。

 この会議もそうだが、特影研の設立含め、今回の件に関しては、ほとんど神崎に主導権を握られる形となっている。

 そのため、多少とも思うことがあるのだが、神崎の手際のよさや自分たちをはるかに上回る情報量を考慮すれば、それもやむをえないと考えていた。


――中略――


――議題六 これから警戒すべき事象――


――中略――


「以上が経済に関する警戒事象でした」

「ありがとうございます。この件に関しては引き続き本部とともに、問題解決に向かいたいと思います」

「ずいぶんと難しいですね。ワープゲートによる交通面はともかく、経済面はずいぶんと変わるでしょうね」

「問題なのはどのような変化があるか、予想がつかないことです。何しろ前例も参考事案もありませんから」


 今小声で二人が話していたが、現在考慮すべき点はいくつかある。

 中でもゲームのアイテムには料理や衣服などが存在する。それらが現在の物流の流れにどのような影響を及ぼすか、難しい問題であった。


「では次に参ります。続いてはゲーム内のイベントについて」


――中略――


「やはり戦闘系の緊急イベントか」

「直接被害が出る可能性がありますからね」

「対応として、現在はまで調整中ですが、すぐに動けるチームを常設する必要があると考えます。最低でも三十分以内に現場に到着できるようにしたいと思います」

「特に大きな被害が出るのは?」

「『制圧』『鎮圧』『襲来』のうち、『制圧』『鎮圧』は基本ダンジョン内が舞台となるため、問題は『襲来』になります。」

「襲来……」

「そう、たとえば首都圏急襲作戦クリアコール」


……

 その言葉で、部屋に一瞬の静寂が訪れた。


「あれがもし東京で起きたら」

「甚大な被害になる」


 小声のつぶやきに、小声の応対がされる。


「そのクリアコールとはいったいどのようなイベントなのですか」


そう聞いたのは、MWFにあまり詳しくない本部の人だ。


「ちょうど二年間続いた、ストーリ第四章の最終ステージを舞台にしたイベント」


 その質問に対して、円卓会議代表の一人が答える。


「内容はゲーム内の各地方の首都圏に大量のモンスターが攻め込み、プレイヤーは首都の中心部を防衛するというものだ。その背景では大きな損害を受ける都市が見えていた。」

「つまり、ゲーム時代でプレイヤーが行ったのは中心部の防衛のみであって、都市自体を守ることは無かった。おそらく、守れなかった」

「大きな損害と仰いますと、具体的には……」

「そうですね、千人規模の武装集団が攻めてきたときくらいですかね」

「つまりは甚大な被害、ということですね」

「ええ」

「ちょっと待ってください。そのイベントは確かかなり前に終了しているはずですが」

「そうなのか」

「ええ、ですが、私が言いたいのは、そのようなイベントがもしかしたら、今回のアップデートで追加されているかもしれないということです。そのときに、今の私たちで東京を守れるか」


……


「いまでは無理です。クリアはできても被害は出ます。その被害を抑えるためにも、今はできるだけ早くの対策を講じるべきです。」

「そう……ですね、ただ、その方法は?」


 その言葉に、神崎は不意に口角を上げる。

 そして、その質問をした者、特影研の防衛担当者を見つめて口を開く。


「もちろん我々もがんばりますが、この国自体にもがんばってもらう必要があると考えます」

「それはどういう……」


 その言葉に答えることはなく、神崎は視線を総理に向ける。

 総理もその視線に気付き、不思議そうな視線を返すと、神崎は総理の方に体を向け、姿勢を正し、こういった。


「総理、私たちが申請したら、自衛隊は何分で動けますか?」


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