プロローグ 世界大異変
初投稿で至らない点しかない気がしますが、考えるより先に行動をしてみました。
ゆるーい気持ちで見ていってください。
アドバイス等もよろしくお願いします。
「神崎様がご到着いたしました。まもなく始めます」
「わかりました。ありがとうございます」
今、会議のスタッフから報告を受けた結城 藍たちは現在、首相官邸四階特別応接室にいた。
これから行われる有識者会議の情報交換会議に出るためだ。
本来、政府関係者が使用するここは、この春から専門学生になる、ごく普通の男の子に関係ある場所ではなかった。
一体なぜこんなことになったのか……、それは三十八時間程前にさかのぼる……。
──二〇四六年 三月十一日 五時四十八分──
八畳ほどの暗い部屋が少しずつカーテンからこぼれる日の光で明るくなっていく。
デジタル時計を使用したことにより時を刻む音すらしない中、時折聞こえる小鳥の声と規則的な寝息が部屋に響く。
そんな早朝の静寂を、枕元においた携帯が破る。
「うぅんー」
寝起き定番の声を上げながら、藍は発信者を確認して電話に出た。
「おはよぅござぃます、もぉにんぐこぉるありがとうございます……おやしゅみにゃしぁぃ……」
「いやまてまてまてまてまてまてまてまて!」
眠そうな声の藍に対して、電話の相手はかなり元気があるようだ。
「ん?まてまての新記録?」
「違うわ!」
電話の相手は藍の幼馴染の青葉 しずく(・・・)だ。
二人そろって性別がわかりにくい名前だが、藍もしずくも男子である。
「なに?どうしたの?」
「あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!」
「早く言わないと寝るよ」
しずくがふざけてはいるものの、かなりあわてているのを感じて、藍も徐々に目を覚ましていく。
「で、どうした?」
「俺も状況はよくわかっていないが、多分『マティフロ』に関係あると思う」
「?ああ、そういえばアプデが終わってたな……。それがどうかしたのか?」
そう言いながら、藍は転がり落ちるようにベッドから出て、パソコンデスクに向かう。
「あー……」
言い淀むしずくを気にしながら、藍はパソコンを立ち上げた。
パソコンがスリープ状態から立ち上がるまでは、単位に「分」を使うことはなかった。
『マティフロ』とは、正式名称『マティックスター・ワールド・フロンティア』という、約八年前から運営されているオンラインゲームで、藍もしずくもクローズβの時代からプレイしている。
「……ん?」
立ち上がったパソコンの画面を見ていると、藍はすぐに異変に気が付いた。
「アイコンがない……」
小さくつぶやいたそのセリフは、デジタル時計を使っている藍の部屋に強く響くように聞こえた。どこを探しても『マティフロ』のアイコンが見当たらない。
藍はまず、バグを考えたが、そうではなかった。
「それだけじゃないよ……。とりあえず今ゆき達と通話してるからきて」
藍は、わかったと言って、いつも一緒にゲームをするメンバーと通話を始めるためいすに座り直した瞬間、ようやくその違和感に気付くことができた。
宙に浮かぶ良く見慣れた画面、『マティフロ』のメニューUI。
そして今、
──二〇三八年 三月十二日 十時五十七分 会議開始──
──議題 この度の異常現象、世界大異変について──