わけわかんねぇ
「ここが冒険者ギルドか。」
なんというか、思っていたよりもムキムキのマッチョマンの比率が高い。3人いたら2人はマッチョマンみたいな感じだ。あと女が受付嬢以外いない。
「冒険者登録を頼めるか?」
「奴隷を侍らせるような人に対して、冒険者登録をすることはできません。」
………………あー、うん。こういうこともあるか。
「分かった。」
「げっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!あいつバカだろ!!」
「あ?威圧。」
スキル【威圧系統】を発動。今回の場合一番下の、【威嚇】で十分だった。
俺を笑った男は、急に青ざめてすごすごと下がり、俺の愚痴をこそこそ言うのに戻った。
冒険者ギルドを出ようとすると、受付嬢が急に叫んだ。
「ギルド長!ギルド長!屑野郎が、冒険者になれないからって荒事を!」
「なぁにぃ!?」
ギルド長と呼ばれて、天井をぶち破って男が出てきた。例に漏れずマッチョマンだ。
「……なるほど、そうくるならいい。思い切り暴れるだけだ。マリア、アンジュ、アンジェ、サリエル、ケセラン、ギルドから離れておけ。」
五人はすぐに指示に従い、ギルドから出て行った。
「ほーう!魔族が魔族を飼いならすのか!これは笑いもんだなぁ!」
「……面倒だ……崩れろ。」
【実現】を使い、冒険者ギルドを崩した。
天井が落ち、壁が崩れる。
「「「「「え?」」」」」
誰も俺が意図したことなど分からず、そのまま瓦礫の下敷きになった奴もいた。
「流石はギルド長。建物位じゃビクともしねぇな。」
「当然だろう!街の風紀を乱すような貴様を、活かしてはおけない!」
ギルド長は、いつの間にか取り出した大剣を俺にむかって振り下ろす。
俺はその攻撃に対して、なんの動作も見せない。
「「「「御主人様!?」」」」
俺に刃物が聞かないことを知っているケセランを除いて、四人は悲鳴を上げた。
バキィン!!という高音が辺りに響き、大剣が砕けたことだけが衆目の事実となった。
「なにぃ!?何をしやがった!」
「何もしてねぇよ。お前が一番分かんだろ。じゃ、次俺の番な。」
適当に、青い炎の壁で四方を囲んでから押しつぶした。倫理観なんてどこかに置いてきてしまったようだ。
ギルド長は声を上げることすらできず、骨も残らず消え去った。
そしてその火は、ギルドの瓦礫に移り、街中で大きな火が昇ることとなった。
絶句している五人を抱えて、スキル【入換】を使って、俺と一緒に召喚された奴らの、上から6人と入れ替わった。
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入れ替わった先では、俺の召喚した竜が空に佇んでいた。
横を見れば、一緒に召喚された奴らが剣を構えていた。
「いやー危なかった。あのまま「魔王降臨」とか叫ばれるとこだった。」
手の中にいる五人は、次から次へと起こる理不尽に、対応できずにきょとんとしているだけだった。
「茫然としてるところ悪いが、あの竜に乗るぞ。」
そう声をかけて、空を飛ぶ。
後ろの奴らから色々言われるが気にしない。攻撃もされてるけど気にしない。
竜の背中に乗って、業務連絡を交わす。
「お待ちしておりました。たったいま仕掛けられたところでしたので、攻撃はまだしていません。」
「分かった、ご苦労。」
手の中の五人を放して、奴らに向き直る。
「どうしてお前がいる!」とか「あの6人はどこだ!」とか言われるが、別になんとも思わない。
「なぁお前ら!俺が今から、何をすると思う!?」
忘&博「俺も何するかわかんね」