始まりにしては雑である
息抜きなので、最初の一行読んで無理だと思った人は感想欄に士ねとでも
俺は、斎藤博。この小説の主人公だ。
いきなりだが、俺はもう既に異世界へと転移したことがある。
そこでは、ゼーダという神様に「全ステータス無限」とかいうイかれてるプレゼントをされた。
あと、無限収納という実際に目にしていないものでも、というか知覚できないものですら収納できる性能のアイテムボックスを貰った。
おかげで、その転移した世界ではやりたい放題やった。
まぁ、俺に体のいい話をするならば、自分の分身を創ったり(なんでか知らないけど神になってた)ドラゴンを20体、竜人を10万近く召喚したり、魔王を35体だか倒したりした。
色々突っ込みどころがある訳なのだが、それはそれだ。
もうやってしまったことは仕方ない。あの時の俺はちょっとはしゃぎたかっただけなのだ。
そんな黒歴史を秘めながら、今日も俺は大学に通う。
正直、異世界から帰ってきたと思ったら政府の偉い人から「君将来政府高官ね」って直接言われたので、大学と言っても国公立の偏差値が低いところでダラダラ留年しないようにだけ気を付けているだけだ。
「えー、このようにして1=0.9999999……である。」
なんていう教授の説明がひと段落したところで、辺りが急に光り出した。
立ち上がろうにも動けない。
…まさかな?
なんていう疑問を解消するために、足元を見る。
そこには魔方陣が光り輝いていた。
周りを見渡せば、他の奴らも同じように光っている様だった。
これ召喚ですね。間違いない。
そう確信したと同時に、視界は真っ白に染まった。
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「おー、随分と久しぶりな顔だねー。」
そんな、どこかで聞いたことのある男の声が聞こえた。
「はっはー、娘のゼダル…今はシロかな?が、お世話になってるみたいだねー。」
また聞こえた。……無視して周りを見渡すと、真っ白な空間でただ一人俺がいただけだった。
こういうのは普通目の前に神様だとかがいて俺がビックリするところなんだけどな…。
シロってのは、さっき軽く説明した俺の分身のことだ。
分身と言っても比喩であって、書類仕事が面倒だったから召喚した俺の変わり身である。
ただ、召喚された本人も分身と言っているので、分身ということにしている。
「無視とはひどいなー博君。」
「誰かは知らないが、その忍野みたいな話し方辞めてくれないか?妙に似てて気持ち悪いし。」
「そんなこと言わないでくれよ。僕と君は対等じゃない。そうだろ?」
「まぁ、それもそうだな。俺は人間。」
「僕は神。」
そういやこいつさっき、シロがお世話になってるって言ったよな?
あれ?これってもしかして…
「あー、先に行っておくけど僕は君のお義父さんではないからね?いくらシロが今君の分身だからと言って、分身の本体である君の父親が僕になる…なんてことはないから安心してくれていいよ。」
「あぁ、そうか。ならよかった。…いい加減名乗ってくれ。あと俺だけここにいる理由も。」
「僕はゼーダ。君に神とほぼ同等のステータスを与えた張本人…今回の場合は張本神かな?…君は、大学の講義中に、Sの42…君の所で言うアンドロメダ銀河内にあるどこかの惑星の中の国に、召喚されたのさ。」
「案外素直に教えるもんなんだな。で、なんで俺だけここに?」
「暇つぶし。君が一番、僕から与えられた力を使いこなしているみたいだからね。経過観察とでも言っておこうか。」
……小説の主人公なんてやってるんだから、誰かにのぞき見されているとは分かっていたけどこいつに見られるのはなんか違う気がするんだ。
「はっはー、事情は理解してくれたかい?そういう訳だから、召喚されてすぐ瞬間移動で地球に帰るなんて無しだからね?最低でも一年はいて欲しい。」
「りょーしょーしたよー。ぞれじゃーはやく、いせかいにいかなければー。」
俺がそう言うと、俺の体は光だした。
「……君のステータスは見た目だけ弄っておいたよ。」
少し声色が低くなったゼーダの声を聞いて、嫌な予感しかしなかった。
次→受験終わって2週間ぐらいしたら