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落ちてきたのは神様  作者:
発覚と使い魔
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発覚と使い魔5


ロキが余裕の表情を浮かべたまま、シルビィを拾い上げる。


「さぁ、教えて貰おうか?」

「言えるわけねぇじゃん。規約に反したら俺が消えちゃうんだぜ」

首を左右に振ったシルビィの顔はひきつってる。

なによ、2人して分かんない会話ばっかりしないでよ。

さっぱり分からない私は、完全にアウェイだ。

グイッとロキの制服を引っ張った。


「ねぇ、ロキ。話が見えないんだけど。彼は誰?」

私の質問に答えたのは、ロキじゃなくシルビィ。


「お初にお目にかかります。蒼空様。俺は使い魔のシルビィです。専門は火の魔法です。以後宜しくお願いします」

ロキに掴まれたまま丁寧にと頭を下げてくれた。


「あっ・・・はい。こちらこそ」

つられて頭を下げ返す。


「宜しくなんてしなくてもいいんだよ」

ロキの不機嫌な声が落ちてきた。


「ムッ・・・だって」

「唇を尖らしてもダメだ」

眉を上げたロキに唇を二本指で掴まれた。


「・・・んん・・ん」

睨みつけて抵抗したら、意外にあっさりと離してくれた。


「て言うか、お前がどうして蒼空の名前を知ってんだ。あぁ?」

ロキは今、私に構うよりシルビィを問い詰める方に神経を集中させたいらしい。


「俺は蒼空様を守るように言われて来たんだ。それに蒼空様の命令は聞いてもいい条件もつけられてる」

「はっ? だから、誰がそんな事を」

ロキの顔が心なしか焦ってる気がした。


「それは言えない。でも、俺は蒼空様の敵ではないし、危険な人物でもない。俺は蒼空様の身辺警護を任されたんだ」

「チッ・・・めんどくせぇ」

そう言うとロキは顎に手を当てて何かを考える。

難しい顔してるし。

て言うか、私の身辺警護って何?

ホントに、不思議過ぎてついてけないんだけど。

ロキに掴まれたままのシルビィは、少し息苦しそうな顔でロキの動向を見守ってる。

う~ん、私はどうすればいいんだろうか。



ロキが悩む事数分。

やたらと長く感じたし。


「シルビィ、100歩譲ってだ。お前が警護に送られたとする。でも、人間の蒼空にどうして、お前が見えるんだ?」

なに? 私、見ちゃいけなかった感じだったのかな。


「・・・う~ん、それは俺も分からない。俺だって見つけられるなんて思って無かったからビックリだし」

シルビィも難しい顔になる。

どう言う事よ、それ。

私って、人間には見えないモノが見えてるって事。


「なんか腑に落ちねぇけど。お前が嘘をついてる様にも見えねぇな?」

ロキはシルビィの真意を計ろうと、シルビィの瞳を見つめる。


「当たり前だろ。こんな事で嘘はつかねぇし。蒼空様を狙うんなら、ロキ様に見られた時点で逃げてる」


「まぁ、そう言やそうだな」

ロキが口角を上げた。

シルビィって、ロキ様って言う癖にタメ口なんだね。

ちょっと笑えた。

なんだか、ギャップが可愛いんだけど。


「いやぁ~笑った顔も美しい」

何故か、シルビィが瞳を輝かせて私を見ていた。

なに? いきなり。


「てめぇ、あんま見んな。こいつは俺のだ」

ヤキモチを妬いたらしいロキが、空いてる方の手でシルビィを目隠しした。


「・・や・・・止めろ。ロキ様、離せ」

自由になってる両手をパタパタと動かして抗議してる姿が愛らしいんだけど。


「蒼空、どうする?」

「え?」

「いや、だから。こいつ、お前の護衛らしいけど。傍置くか、帰らせるかはお前が決めろ。こいつはお前の意見を聞き入れるはずだ」

真剣な眼差しのロキ。


どうする? って言われても・・・。

突然の話しすぎて、良く分かんないし。

初めて見る使い魔が突然現れて、護衛とか言われたって実感がない訳だし。

急に言われも困る。

ロキを見上げる。


「どうしようか?」

眉を下げたままロキに尋ねた。


「俺は別に問題はねぇとは思うけど」

「居ていいよって言ったら一緒に暮らす事になるの?」

「あ・・・まぁ、そうなるな」

面倒癖ぇけど、とロキはガシガシと自分の髪をかき混ぜる。


「蒼空様の邪魔はしません。どうかお傍に」

懇願するようなシルビィの声。


「う~ん、どうしようかなぁ」

私はシルビィを見つめたまま考えあぐねる。

一緒に生活するって事になるんだよね。

本当に信用して大丈夫なのかな。


「寝室には結界張ってやる。あいつに熱い夜を邪魔されねぇようにな」

私の耳元でそう言うと、ロキはニヤリと口角を上げた。


「なっ」

目を見開いて頬を赤らめた私を、熱い瞳で見下ろすロキ。

心配してるのは、それじゃないし。


「・・・可愛い」

このタイミングで可愛いとか言うな


「ば、馬鹿。もう知らない」

プイッと顔を背ける。

お・・・思い出したじゃないの、色々と。


「マジでやべぇ」

そう言ったロキは、近くのテーブルにシルビィを下ろして私に抱き着いてきた。


「わっ」

驚いて声を出した私に、

「もっと色気のある声だせよ」

と耳元で囁いて耳を甘噛みして来た。


「・・・ん・・・っ・・や・・」

耳にロキの息がかかってくすぐったい。

さわさわと背中をさすられて体が熱くなり始める。

こんなことしてる場合じゃないでしょ。


「ロキ、何すんのよ。離しなさいよ」

「いいだろ? 誰も居ねぇし」

甘い声を出すロキ。


「おい馬鹿神様。俺が居んだろうが」

と叫ぶのはシルビィ。

うんうん、居るよね?

ロキの胸板を両手で押す。


「そうだよ、シルビィが居るでしょ。離れて」

「こいつ、やっぱうぜぇな。居たらイチャつけねぇな。蒼空、帰れって言ってやれ」

私を抱きしめたまま、冷たい瞳でシルビィを見下ろした。

いやいや・・・そんな理由はおかしいよね。

本当、自由人過ぎるでしょ、ロキ。



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