パンドラの箱4
ロキはロキで反省したかな?
申し訳なさそうに眉を下げたロキに安心した。
やっぱ言ったら分かるんだねぇ。
「どうして先に言わねぇんだ」
さっきまでのロキからは考えられない程低い声が聞こえた。
「ほへっ?」
突然目の前には、鬼の形相に変わった神様が。
あまりの迫力に、座ったままお尻で後ずさる。
ロキ君? どうしたのかなぁ~。
「蒼空、どうして俺に言わずに勝手に呼び出されてんだよ。こんな傷まで作らせやがって。男も出て来ただ? 何かあったらどうするつもりだったんだ」
今度は私がとんでもない迫力で迫られる番だった。
「・・・いや・・ほら・・皆居たしさ」
明後日の方向を向いてそう答えた。
「ああ"? 誰が居たって」
こ・・・怖いから睨まないで。
「衣弦達だよ。それに廉先輩達も来てくれたしね。全然問題無かったよ」
額に流れる汗は、完全に冷や汗だ。
「他の男に守られてんな」
・・・えっ?そこ?
「いや・・・男ってか、皆友達? だしさ」
「疑問形じゃねぇか」
だって、あんたが怖いんだよ。
どうして、私が怒られなきゃいけないのよ。
「第一、俺のせいで呼び出されたのに、なんで最初に言わねぇ」
うん・・・確かに、ごもっともだけどさ。
あんたが来るときっとややこしくなってたよね。
「だって、あいつらを一網打尽にしたかったもん。それにあんな時にロキが来たら余計にややこしくなるでしょうが」
私の言う事、間違ってないでしょう。
「煩せぇ。今度から何かあったら、すぐに言えよ、分かったな?」
顎を捕まれて、上を向かされる。
な、なんで、こんなに偉そうなのよ。
「おい返事。返事しねぇなら、ここでヤッちまうぞ」
逆に脅された。
「分かった、わかりました」
うんうんと首を高速で縦に振る。
ヤラれちゃ困るのよ。
チュッて音を立ててフレンチキスをされた。
「なっ・・・」
驚く私に、
「わかりゃいい」
ロキは口角をあげてニヤリと笑う。
こ・・・こいつはどこまで偉そうなんだ。
て言うか、こいつは反省したのか?
「私じゃなくて、ロキも分かったんでしょうね?手当たり次第に手を出すのは止めなさいよ。とばっちりが私に来るんだからね」
とはっきり言ってやる。
「・・・ああ。分かってる」
少しシュンとして肩を落として反省したようだから、今回は許すとするか。
「反省したなら、いいけどね」
「したした、反省したから、晩御飯」
その目は捨てられた子犬の様だった。
そんなにお腹減ってたんだね?
リビングの掛け時計に目を向ける。
もう、19時回ってる。
そりゃ、お腹減るよね。
期待を瞳に込めて私を見てくるロキを見て、笑みが零れた。
「はぁ・・・仕方ない作るか」
溜息をついてから立ち上がった。
うちの大きな野良犬にご飯食べさせなきゃね。
「蒼空、ハンバーグ食いてぇ」
私の後に尻尾を振りながらついてくるのはロキ。
まぁ、実際尻尾は無いけどね。
「了解。リビングでテレビ見てて。さくさくと作って来るからね」
ニコッ笑ってロキの頭を撫でてから、キッチンに向かった。
なんだかんだ言っても、ロキは可愛い奴だったりする。
お腹が減った時と眠い時は特にね。
私のたった一人の家族はエロいけど、やっぱり居てくれると安心出来る。
一人の夜が怖かった私にとって、実は救世主だったりする。
本人に言うと調子に乗ってくれちゃうので、絶対に言わないけどね。
ロキの暖かさに、何度胸が熱くなったか分からない。




