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落ちてきたのは神様  作者:
空から落ちてきた
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空から落ちてきた2





いつもの朝を、いつもの様に迎えた。

青い空、そよぐ風、今日も一日普通の日が始まる。

朝の時点ではそう思ってた。

窓から眺めるいつもの景色満足した私は、20建てのマンションの最上階の部屋を出た。


私がお金持ち?

ううん、違うのこれは足長おじさんが用意してくれたもの。


自己紹介が遅れましたが、私は姫宮蒼空ひめのそら16歳です。

茶髪をおさげにして、淵なし眼鏡をかけた、どこにでもいるような普通の子。

身長は156㎝で、体重は・・・・内緒!

親はいません。

唯一の肉親だった母親は、2年前に事故で他界。

それ以来、謎の足長おじさんに面倒を見てもらってる。

会った事もない足長おじさん。

母親の死後すぐに来た手紙に、おびき寄せられるようにしてきたのが、このマンション。

手紙と一緒にこのマンションのルームキーと暗証番号。

それから、私名義の通帳とキャッシュカードが同封されていた。

あまりの金額に腰を抜かしてしまったのを、昨日の事のように思いだせる。

さすがに怪しいとは思ったが、親を亡くした中学生の私は、足長おじさんに縋るしかなかった。


と・・・・まぁ、そんなこんなで2年の月日が流れました。

足長おじさんは、時々手紙をくれる。

住所がわからなくて、私からは出せないので。一方通行の手紙だけど。

足長おじさんの人柄がにじみ出るような暖かい手紙である事は確かだ。

その証拠に、あった事もない足長おじさんを私は大好きなんだもん。

1人の寂しさに負けなかったのは、足長おじさんが影ながらに支えてくれたおかげだと思ってる。



エレベーターを降りて、マンションのエントランスに出る。


「おはようございます、姫宮様」

マンションの管理人兼コンシェルジュの五十嵐睦夫いがらしむつおさんが、丁寧に頭を下げてくれた。


「おはようございます、五十嵐さん。いってきま~す」

五十嵐さんに頭を下げて、鞄とバスケットボールを手にマンションの外に駈け出した。


「いってらっしゃいませ」

背中越しに、爽やかな五十嵐さんの声が響いた。


学校までは、徒歩15分。

朝練に間に合うように、少しだけ小走りする。

ちなみに、バスケットボールを少々やっております。


私が通う東高校の校門が見えてくる。


「おはよう」

「おはよう」

他の部活の子達もぞろぞろと校門に向かいながら、爽やかなあいさつを交わしている。


「おっはよ~蒼空」

テンション高めで、後ろから飛びついてきたのは海藤咲良かいどうさくら、私の中学からの大親友であり、チームメイトなのだ。

明るめの茶髪で巻き髪、いわゆるギャル系に近い彼女。

今日もばっちりメークが決まってます。

身長は私よりも高くて、それでいて可愛らしい顔つきをしている女の子。

でも、実は性格はかなりきつい。

何人の男の子が、咲良のギャップにやられただろうか?


「おはよう!咲良。毎回言うけど、急に飛び出してこないでよ。ムチウチになるじゃないのよ」

「ムチウチって、おばあちゃんじゃあるましね、フフフ」

笑いごとじゃないんだってば!

地味に首痛いし。


「ねぇ、ねぇ、今日の部活終わり暇?」

甘えた声を出す時の咲良はかなり危険。


「暇じゃない」

「うっそだぁ~!暇でしょう!絶対に!!!」

絶対とか決めつけんな、と思いながらも、確かに暇なのは変わりない。


「暇だったらどうだって言うのよ」

溜息をついてそう言うと、

「じゃ、合コン参加ねぇ~」

と、ウフッと笑う咲良に溜め息が漏れた。


いやいや・・・・行かないし。


「行かない」

それだけ言って歩きはじめる。


「えぇ~行こうよぉ。今日は西華高校とだよぉ。頭がよくて超イケメンが揃ってるんだってぇ」

咲良は実は合コンマニア。

たまに巻き込まれて、エライ目に遭う。


「行かない、今日は本当に用事あるし」

この前ので懲りた。

変なチャラ男に、まとわりつかれて苦労したんだからね。













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