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落ちてきたのは神様  作者:
空から落ちてきた
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空から落ちてきた22








「蒼空、大丈夫だった?何もされてない?」

未来先輩は去って行くケバ先輩達の背中を睨みつけながら私にそう聞いてくれる。


「はい。呼び出された以外は特に」

ニシシと笑う。


「はぁ? 呼び出されたの」

怪訝そうに眉をあげる未来先輩。


「はい。放課後、体育準備室前だそうです」

「・・・うちの大切な後輩に何をするつもりよ、あのケバ女」

未来先輩の声色が変わる。


「まぁ、ロキの事じゃないですかね」

「はぁ~、ロキ君かぁ。彼は色々と問題ね。大方、蒼空にベタベタしてるのが気に食わないのね、親衛隊は」

「ですねぇ。ようやく呼び出してくれましたよ」

と言った私に、

「まさか、行くつもりじゃないでしょうね?」

威嚇するような低い声で聞いてきた。


せっかくの美しい顔が台なしですよ、先輩。


「はい、もちろん行きますよ、みんなでね。だって、ロキには言うなって言ったけど。一人で来いなんて言われてないですし」

フフフて笑って、未来先輩を見る。


「フフ・・・蒼空らしいわね。3組Fiveで行くの?」

未来先輩は全てを悟ったらしくお腹を抱えて笑い出す。


「もちろん、咲良も連れて行きますよ? なので、今日は部活、二人共少し遅れます」

「そう、いいわ。キャプテンには私から言っておく。鬼退治に行っちゃって」

「はい。お願いしま~す」

頷いて黒い笑みを浮かべた。


「危ない事はしないようにね。まぁ、みんなが一緒なら大丈夫だと思うけど。あまひしつこい様なら、私に言ってね。可愛い後輩に手をだそうとするなんて許せないから」

綺麗な顔で笑うけど、目が笑ってませんよ~。


「は~い、了解です」

敬礼したら、ウフフと笑われた。


「じゃあね。友達見つけたから行くね」

未来先輩は同じくクラスの友達を前方で見つけたらしく、そちらへと走って行った。

うん、ホントに良い先輩だと思う。

私も気を取り直すと足早に教室を目指した。


教室に入り、机にはつくといつものメンバーが集まってくる。


「見てたわよぉ~、囲まれてたじゃない」

楽しそうな笑みを浮かべた麻美。


「なぁなぁ、何か言われたか?」

悪戯っ子みたいに目を輝かせるのは、衣弦。


「ロキ君は置いてきぼりにしたのぉ」

朝から可愛いぞぉ~蜜。


「いつもじゃない事、起こりそうか?」

ニヤッと笑うのは瑠衣。


「うん、いつもじゃない事起こりそう」

ウフフと笑う。


未来先輩が、さっき言ってた3組Fiveは私を含めたこの5人。

学校では『3組Five』として少しだけ有名な私達。


「それって、俺達交ぜてくれんの?」

「もちろんだよ、瑠衣」

私がそう言えば、みんなが顔を見合わせて、悪い顔して笑う。

『いつも』じゃない事が大好きなこの4人。

悪戯っ子みたいにワクワクしてるのがすぐに分かった。

キーンコーンカーンコーン、予鈴が鳴る。


「詳しい話はお昼にね」

そう伝えたら、満面の笑みを浮かべて各自机へと戻って行った。

ガラッと開いたドアから顔を見せたのは担任・・・ではなくて、息を切らした不機嫌なロキ。

ギロッと私を睨みながらズカズカとやってくる。

手にはちゃっかり、私の作ったお弁当を下げてる。

そんな顔したって知らないわよ。

私の所まで後少しでたどり着くってところで、ロキの携帯が着信音が聞こえた。

それに眉間のシワを太くして動きを止めたロキ。

今の着信音はロキの遊び相手なんだろう。

学校に来た時はマナーモードにしなさいよ。

そんな事を思いながらすぐ傍までやってきたロキを見る。

携帯を取り出そうともせずに、険しい顔で私を見下ろした。

着信音が煩い。


「迷惑だから、早く出なさいよ」

「いい」

どうして、そんな不機嫌なのよ。


「いいから、出てよ。煩いから」

そこまで言われて、ロキはようやく携帯を取り出した。

相手を確認した後、着信を止めて何も無かったかの様に再び私を見下ろすロキ。



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