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落ちてきたのは神様  作者:
空から落ちてきた
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空から落ちてきた20



ナプキンで口元についた紅茶を拭く私を見て、ケラケラと笑うロキをシメてやろうと心に決めた。


「ククク・・・そんな顔で睨まれても、逆効果だっーの。蒼空ちゃんほっぺが赤いですよぉ」

ニヤリと笑うロキに、無性に平手打ちをお見舞いしたくなる。


「うざっ」

冷たく睨んだって怯む事のない目の前の男は、まだまだ笑い続けてる。

構うと調子に乗るので無視作戦を決行することにした。

プレートに視線を落として、黙々と食べる。

スクランブルエッグを一口。

ウインナーを二口。

サラダを一口。

ロールパンを一かけら。

オニオンスープを飲み干す。

アールグレイティーを一口。


うん、我ながら美味しい朝食だな。

ロキが何かを言ってるけど、まったく聞こえない振り。

こんな奴、構ってられないわ。


何を言っても尽く無視する私の気を引こうと、呼び掛けて来る。


「そ~ら?」

「蒼空ちゃん?」

「蒼空?」

「蒼空様?」

「お~い、蒼空」

無視しつづけたら、色んな呼び掛けをしてきた。


うざっ・・・本気でうざい。

無視して食べ終えたプレートをキッチンに運ぶ。

私を呼ぶことに必死だったロキは、まだ半分も食べてない。


私は自室に入ってスクールバッグを手に取る。

ロキは、まだ私の名前を呼び続けてる。

いい加減諦めて、朝食食べればいいのに、なんて思いながらダイニングに戻る。

安の定、ロキのプレートには朝食が残ってる。


「暇人じゃないんだから、人の名前ばっかり呼ばないでよ。それに早く朝食食べちゃいなさいよ?じゃ、お先。戸締まりはしっかりね」

にっこりと笑って手をひらひらさせるて玄関に向かった。


「ま・・・待てよ、蒼空。一緒に行こうぜ」

焦ったように言ったロキは、大急ぎで朝食を口の中へとかきこみだす


「嫌よ! ロキ親衛隊に睨まれたくないからねぇ。ばいば~い」

玄関から奥に向かってそう叫ぶと家を出た。

悪いけど、待ってあげないからね。、


マンションから出ると、心地良い風が頬を掠めた。


「うん、清々しい朝ね」

う~んと手を上に伸ばして背伸びをしてから、学校を目指して歩きはじめた。


ロキとなんて、登校したくないわ。

最近出来たロキ親衛隊が超ウザいもん。

あの馬鹿馬鹿しい集団と関わりたくなんてないわ。

だから、何かにつけて最近はロキとの登下校を避けるようにしてる。

集団心理なのか、ロキ親衛隊は小さな嫌がらせを仕掛けてくる。

初めは靴箱に忠告の手紙。

【呂希様から、今すぐ離れなさい】

そんな事を言われても、あいつがくっついてくるんだから、どうしようもない。

まったく持って迷惑な話だ。

次ぎはローファーの中に画鋲。

古典的過ぎて、例の5人組で大笑いした。

普通ありえないでしょ。


やってくる嫌がらせは地味過ぎて気付かないモノも多くて怠過ぎる。

未だに下駄箱には、忠告の手紙が届くけど、読んでない。

だって、初めのうちは面白かったけど。

最近はマンネリ過ぎて飽きた。

いっその事、呼び出してくれないかと密かに考えてる。


教科書や机には悪戯はされない。

だってクラスメートは全て私の味方だから。

地味な嫌がらせばっかりだから、ロキには言ってない。

自分のせいだと、落ち込まれても困るから。


今日こそは呼び出しあるかなぁ~。

ロキと離れて行動するのは、相手の接触を待ってるから。

私は一人で乗り込もうなんて考えてない。

くだらない悪戯をする奴らにフェアなんて要らないし。

呼び出しを貰ったら咲良を入れた6人でもちろん行くつもり。

残念ながら黙って泣き寝入りするような子じゃないからねぇ。

二度と近付きたくなくなるぐらいの思いはしてもらうつもり。


私がこんなだから咲良には鬼だと言われてる。

まぁ、仕方ないかぁ~。





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