空から落ちてきた15
「おまえは今まで一人で頑張り過ぎたんだな?これからは、俺も居るんだし頼ってくれよ。まぁ、頼んないかもしれねぇけどな」
「うん」
「ば~か、そこは『そんなことないよ』だろうが」
「イヤイヤ・・・エロ神様じゃ頼りにならないわよ」
涙を拭って笑った。
「・・・」
ロキの顔がスローモーションで近づいてくる。
あ・・・キスされるんだ。
そっかぁ、もう3日経つもんね?
私は静かに目を閉じた。
ロキと私は3日に一度、キスを交わす。
契約のキスを・・・。
じゃないとお互いに体が動かなくなってきちゃうの。
ロキが言った生気交換なんてのを、初めは信じてなくてキスを拒否ってたら、体が言う事を利かなくなってしまった。
それからは、拒まずにキスをする。
触れるだけの優しいキス。
あのエロいキスは、あの空を飛んだ日だけだったのに・・・。
触れる唇、角度を変えて何度も触れる。
息をしようと薄ら開いた唇の隙間から入り込むロキの生暖かい舌。
「ん・・・っ・・・ん」
ロキは容赦なく口内をその舌で暴れまわる。
身体が自分の体じゃないような感覚に襲われて、ロキの胸元にしがみ付いた。
「・・ん・・・やっ」
酸素不足で、頭が回らなくなった頃、ロキの優しい唇はそっと離れて行った。
焦点の合わない瞳でぼーっとロキを見ていたら、
「エロい」
と笑ったロキに抱きすくめられた。
いつもなら、嫌がるのに今日はどうしてだか抵抗出来なかった。
どうしてだろう?
この気持ちを、私が知るのはまだまだ先の話。




