空から落ちてきた11
「まっ、そう言う事でよろしくな?」
誰か、この軽いノリの男をシメてください。
「嫌よ、冗談じゃない」
「あ~心配すんな。お前の生活に干渉しねぇ。俺もそれなりに楽しく暮らしてぇし、お互いにこそは尊重し合おうぜ」
そう言ったロキの瞳が艶やかに光ったように見えた。
「・・・」
目の前の残念な男、いや神様に落胆を隠せない。
「キス以外なら、肉体関係を持っても問題ねぇから、お互い楽しく遊べるって事で納得しとけ」
こいつは・・・エロ神だ。
絶対に天界を追い出されたのも、それが原因だ。
なんとなくそんな気がした。
ま・・・他を見て、私にちょっかいださないなら、それに越した事はない。
「な? お前もその方がいいだろ。あっ心配すんな、家には連れ込んだりしねぇよ」
「当たり前だ、あほ」
なんだからこいつ、凄く疲れる。
一緒に住む話になっちゃってるし・・・本当、どうすりゃいいのよ。
「なぁ、お前の名前は?」
「姫野蒼空よ。蒼の空でそら」
仕方なく、同居人となるべく男に名前を教えた。
「へ~綺麗な名前だな?」
「あ・・・ありがと」
綺麗な名前なんて、初めて言われたし。
凄く胸が暖かくなった気がした。
と、これが2週間前の出来事。
ここから、いつもじゃない日常が始まった。
「俺ってイケてるだろ?」
「無理無理、あんたなんて無理」
「良い拾いモノだと思うぜ?」
「拾ってなんてやらないし」




