表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落ちてきたのは神様  作者:
空から落ちてきた
11/151

空から落ちてきた10



こいつの、素行の悪さは雰囲気から感じ取れるし。

それが理由なら納得出来るわ。


「あっ、てめぇ、簡単に納得してんじゃねぇよ」

私の顔つきで分かったのだろうか?


「だって、素行の悪さが滲み出てる」

ボソッと言ったつもりが、しっかりロキには聞こえてた。


「うぜぇ、そんなもん、滲み出てねぇよ」

不機嫌そうに顔を逸らした。


いやいやいや・・・完全に滲み出てるから。


「まぁ、いい。詳しい話するから、一旦部屋に戻るぞ」

その言葉にうんうんと頷いた。


空中遊泳も、なかなか貴重で楽しいけれど、不安定な感覚はやっぱり慣れない。

出来れば早く地に足を付けたい。

ロキは私が頷いたのを確認して、方向転換すると元いた部屋を目指した。


5分程で、見慣れたベランダに降りる事が出来た。

ロキの腕から、飛び降りるとしっかりと自分の足でベランダを踏み締めた。


うん、やっぱりこうでなくちゃ。

少し膝が笑ってたけど、気を引き締めて歩きはじめる。

部屋の中に戻って、ベッドルームを通り抜けて、リビングのソファーに腰を降ろした。

ロキは黙ったまま私の後ろからやってくる。


「あんたはそっちよ」

隣に座ろうとしたロキを押し戻して、対面のソファーを指差す。


「・・・チッ、ケチくせぇ」

そう言ったのは聞こえない振りをしておいた。


「で・・・どう言う事か、一から説明してくれる?」

深くソファーに座って、腕組みをしたままロキを見る。


「あ~仕方ねぇな。まず、俺はクソ親父に力を奪われて天界から突き落とされた」

わしゃわしゃと自分の黒髪を掻き混ぜるロキ。


「素行が悪かったからね」

「いちいち、うるせぇ」

と睨んできたロキに、

「でも、本当の事なんでしょ?」

ニヤリと黒い笑みを浮かべた。

自業自得と言う言葉がぴったりだと思う。

ロキは悔しそうに眉を下げたまま、話を続ける。


「で・・・落ちた所にたまたまお前が居て。気に入ったから契約のキスをしたら、力が蘇ったって訳。まぁ、本調子の力じゃねぇけどな?」

と笑う。


「・・・」

て言うかさ、さっきから契約って言ってるけど、なによ、それ?


「契約ってのはな結ぶと、契約者の側限定で力が使えるようになるんだ。契約する事で、お前は下界での俺の管理者になり、俺はお前が居ないと力を使えないから無茶も出来なくなる」

「・・・」

「契約した俺が暴走しないように、足枷になるのが契約者と定期的にキスして、生気を交換しなきゃいけねぇって事。じゃねぇと、俺もお前も死ぬ。もちろん、互い以外の第三者とキスは禁止だ。それを破れば酷い目に合う」

なんともま~迷惑な話だ。

この男、なんてことしてくれたんだ。


「私、完璧に巻き込まれただけじゃないのよ」

ロキを睨みつけて抗議する。


「まぁ~そうとも言うかもな」

「呑気に笑ってんじゃないわよ。ふざけんな、この変態野郎」

テーブルにガンッと握り締めた拳を叩きつける。


「変態野郎はねぇよなぁ。これから生活を共にするんだから、仲良くやろうぜ?」

ヘラッと笑ったロキに殺意が芽生えた。


「冗談じゃないわよ。こんな契約無効よ。早く解除しなさいよ」

「それは無理。一度契約したら、俺が天界に戻るまで契約は解除出来ない」

サラッと恐ろしい事を言ってのけるロキ。


「い、いつになったら帰るのよ」

「さぁ、親父次第じゃね?」

「冗談じゃないわ。間違った契約をしたって、お父さんに言いなさいよ。そしたら、なんとかなるでしょ」

最後の望みを口にしてみる。


「あ・・・無理だわ。連絡の取りようねぇもん」

あっさりと帰される言葉に、肩をガクンと下げた。


終わった・・・私の人生最悪じゃん。

こんな変態と一緒に生活なんて真っ平ごめん。

でも、死ぬのもヤダし。

どうすりゃいいのよ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ