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窓
蒸し暑い夏の夜、当時小学生だった私はカーテンを開け、窓を全開にして寝ていました。
ぐっすり寝たつもりが、急に目が覚めてしまい、何度も寝返りをうちました。
その時、窓の外をふと見やると、そこにはなにか得体の知れないもの……、見ようにしては人が立っていました。
ひゅっと声にならない声をあげた私は、姉の部屋へ駆け込みました。
あわてふためき、状況を説明すると、姉は黙って座っていた椅子から立ち上がりました。
「見てくる」
そう言った姉の声も震えていました。
二人で私の部屋を覗いてみましたが、なにもありませんでした。
寝ぼけにしてははっきりすぎる記憶で、未だに何だったのかわからずじまいでした。
もちろんその日は姉の布団で一緒に寝ました。
あれは何だったのか――。