ステレオ
私が中学生の頃の話。
その日はいつも通りに過ごし、いつも通りに勉強をしていました。
勉強を終えて、せっかくならマンガも描いておこうと、夜更かしをしました。
マンガを描くことに熱中していて、何時になったかなんてわからない状態のとき、それは起こりました。
いきなりステレオが大音量で鳴ったのです。
しかも、なにか人を呼ぶ声。
私は腰を抜かしそうになりながら、部屋の入り口までたどり着きました。
すると、母が来ていて、
「こんな夜中に何聞いてるの!?もう二時半!いい加減に寝なさい!」
見れば姉も妹も起きてきてしまっています。
しかし、おかしいことに、ステレオは電源を切っており、コード自体を繋いでいませんでした。
外は雷でもなんでもなく、晴れている様子。
寝なさいと言われてしぶしぶ布団に入りましたが、窓が気になって眠れませんでした。
そこで、寝ている姉のベッドの隅で寝かせてもらいました。
その日以来ステレオが鳴ることはなかったのですが、後で聞いたら昨日はおじいちゃんの命日だったそう。
お参りに行ったりしないので知りませんでしたが、おじいちゃんが何か言いに来ていたのかもしれません。