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その2

4月10日 今日から授業です!!


 昨日入学式があり、今日から授業です。どんな先生なのかドキドキします。


 朝、登校し教室へ入るとまだ始業時間の30分前まのにもかかわらず、すでに神崎さんがいました。他にも登校している方々がちらほらといます。早いですね。いったい何時に来ているのでしょうか。

「おはよう」

神崎さんに声をかけられました。満面の笑顔付きで。クラスメートにあいさつするのは普通ですが、朝からその笑顔は眩しすぎます。

あいさつをされたら返すのは基本ですよね。

「お、おはようございます・・・」

神崎さんのオーラに押されつつも、なんとかあいさつを返すことができました。よかったです。

なんだか疲れた気持ちで席に着き、教科書やノートをカバンから出して机の中にしまいます。

その作業がおわり、やることがなくなるとなんだか眠くなってきました。暇なときに読もうと一応本は持っていますが、眠すぎて読める気がしません。

昨日は緊張して眠れなかったもので。神崎さんが登校してきたクラスメートと会話をしているのを見ていましたが、もう耐えられません。

まだ朝礼までは時間がありますし、少し寝ましょう。おやすみなさい・・・。


 キーンコーンカーンコーン。学校のチャイムが鳴りました。・・・はっ。私は目を覚ましました。

私が寝る前はまだ人が少なかった教室には、クラスメートのほとんどがそろっているように見えます。

このざわざわのなかでも爆睡していたなんて・・・恥ずかしいです。

「よく寝てたね」

私が起きたことに気付いたらしい神崎さんが声をかけてきます。書き忘れていましたが、私と神崎さんは出席番号順の席なので前後なのです。優しげに笑っている神崎さんに、なんだかいたたまれなくなってしまった私は何もいうことができずにうつむいてしまいます。きっと顔は真っ赤でしょう。・・・恥ずかしいです。

ドアが開き、担任の先生が入ってきました。みなさん席に着きます。担任の先生は今日もチャラいです。先生も神崎さんと同じく何かのオーラを出していますね。

なんだか朝から疲れる1日となりそうです。


 朝礼が終わり、1時間目の授業の時間です。教科書やノートはそろってますし、さっきばっちりしっかり寝たので眠気はありません。問題なしです。

先生が教室に入ってきて、授業が始まりました。先生の話はおもしろくて聞き入ってしまいます。時間は飛ぶように過ぎていき、あっという間に1時間目が終わりました。これからの授業も楽しみです。

ちらりと覗き見た神崎さんのノートは、文字で真っ黒でした。私も見習ってがんばらなければ。

 

 二時間目。移動教室です。

教室の場所がわからなくて困っていた私に、神崎さんが一緒に行かないかと誘ってくれました。

なんでも彼女は昨日のうちに学校を一通り探検してきたそうです。さすがです。私は神崎さんへ尊敬の念をいだきつつ、一緒に行くことにしました。

しばらくした後、廊下を歩いていた私は、神崎さんと一緒に来たことを後悔しました。

神崎さんは、誰から見ても美人さんなのです。それで廊下にいる方々からの視線を受けます。そしてそれは彼女の隣を歩いている私にも向けられるわけでして。私は誰から見ても平凡な娘です。そんな平凡がどうして美人さんの隣を歩いているんだ的な視線が私にグサグサと突き刺さります。

思わず神崎さんを見上げると(彼女は私よりも身長が10センチは高いです)、それに気づいた神崎さんはニコッと笑ってくれました。私も笑い返しつつ、さらに強くなった周りからの視線におびえていました。

やめて!私を見ないで!!何かが減るから!!!私の心の叫びは誰にも届きません。もういやです。


 おもに精神的に疲弊しつつも、なんとか一日の授業を終え、家にたどりつきました。遠かった・・・。

やはり神崎さんには必要以上に近づかないほうが(心の平和のために)いいことを再確認した一日でした。

中学校生活はまだまだ始まったばかり。不安はたくさんありますが、がんばりましょう!!

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