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まえがき

 みなさんこんにちは。私、桐ヶ谷綾音≪きりがやあやね≫と申します。


 今日、私の通っている小学校の卒業式がありました。無事に終わってよかったです。

卒業式が終わって、友人達とおしゃべりをしていると、男友達Aが話しかけてきました。

「あの・・・桐ヶ谷。話があるんだが、すこしいいか?」

彼の深刻そうな表情に何だろうと思いつつ頷き、違う場所でという彼の後をついていきました。

人の気配がなくなった静かな場所で、彼は立ち止まり何かを決意した感じで私にいいました。

「桐ヶ谷。お前にしか頼めないことがあるんだ」

その静かな口調に私は気を引き締めました。どんな頼みでしょう。

「神崎様の中学校での生活を報告してくれないか?頼む。こんなこと、お前にしか頼めないんだ!!」

・・・は?私は思わず脱力しました。

さっきの深刻そうな雰囲気はどこにいったんだ。そんなくだらないことを頼むためにここまで連れてきたのか。

彼の話によると、彼は神崎様親衛隊の隊員で、定期的に隊員に配る冊子に神崎様の日常を書くために情報が欲しいらしい。


 え?神崎様って誰かって?知らないのですか??

ああ、他校の方でしたか。なら知らなくて当然ですね。失礼しました。

神崎様というのは同級生の神崎唯さんのことで、容姿端麗、文武両刀。さらに性格もいいすごい人ということで、一部の方々からは神崎様と呼ばれている、この学校に彼女のことを知らない人はいないというスーパーガールなのです。

そんな彼女は来月から花園学園中学部へと進学します。

この花園学園は小学部から大学まである共学校で、それなりに頭がよく且つそれなりに親がお金を持っていないと入れない学校なのです。

実は私もこの学校に入学します。ずっと憧れていた学校なので、試験に受かることができてとてもうれしいです。

この小学校から花園学園へ進学するのは私と神崎さん(私は親衛隊メンバーではないので神崎様とは呼びません)だけなので、男友達Aが私に頼むのも、まあ当然でしょう。

「頼む。日記みたいに書いて俺に渡してくれればいいから。報酬として、お前が好きな本を続刊が出るたびに買ってやるから」

男友達Aにはいろいろと助けてもらった恩もありますし、頼みの一つや二つ、よろこんでひきうけましょう。


 と、いうわけで私はこれから中学校を卒業するまで神崎さんの観察日記をつけたいと思います。

どうして観察なのかって?だって、私は神崎さんに必要以上に近づく気はありませんし、「観察」くらいの距離感がちょうどいいのです。

さあ、これからがんばりましょう!!

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