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私が仕事するのですか?嫌ですわ。
「おはよう、和子。今日も頑張ろう」ゆなはいつも通
り、明るい声で笑った。
ゆなと他愛ない話をしながら、奥の部屋へ入る。
そこは、この館の中でも特別に整えられた場所だった。
「おはようございます」私たちはそろって膝をつい
た。
「おはよう。二人とも、今日もよろしくね。
今日は視察に行くから、一緒に来てくれる?」
そう言って、空様は私たちと目線を合わせて微笑んだ。
思わず、胸の奥がざわついた。
「空様、馬車の用意ができました。」
「ありがとう。じゃあ、行こうか」
私とゆなは、空様を挟むように馬車へ乗り込んだ。
揺れに身を任せると、どこか懐かしい乗り心地だっ
た。
「あの子を助けないと――」
言葉の途中で、空様は扉を開け、馬車から飛び降りた。




