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第25話 『霜嵐の試練』
重箱から漏れ出る光は、次第に強さを増していった。
「この光...まるで結界のよう」
アリシアが驚きの声を上げる。
光は円を描くように広がり、一行を包み込んでいく。
すると不思議なことに、外からの冷気が和らいでいくのを感じた。
「さくらさん、この重箱...」
智也が気づいた。
「ああ、これが『盛物の重箱』の本当の力か」
大将が頷く。
「料理を美しく盛るだけでなく、料理人たちの想いを守る力もあるということだな」
しかし、結界を維持するにはさくらの魔力が必要だった。
長時間の維持は、彼女に大きな負担がかかる。
「交代で料理を作りましょう」
智也が提案した。
「さくらさんの重箱に料理を盛ることで、結界の力を補充できるはずです」
一行は交代で調理を始めた。
極寒の中での料理は困難を極めたが、それぞれが工夫を凝らす。
エルフの料理人は風の力で火を守り、
ドワーフの料理人は地熱を集めて釜を温め、
影喰らいは闇の力で寒気を遮った。
智也は『まかない亭』で培った技術を活かし、最小限の火力で最大限の効果を引き出す料理を作っていく。
「このスープ...体が芯から温まります」
さくらが智也の料理を口にして、目を輝かせた。
結界は持ちこたえ、一行は少しずつ前進を続けた。




