第19話 『料理の世界会議』
王立魔法学院に、世界中から料理人たちが集まってきた。
「世界料理魔法研究会」の設立会議だ。
コンクールでの出来事をきっかけに、アリシアとカイルが提案した新しい組織である。
会議室には様々な種族の料理人たちが集まっていた。
エルフの「風の料理研究会」代表。
ドワーフの「大地の味覚協会」会長。
砂漠の国からは「太陽の調理士団」の長。
そして遠い東の島々からは「海流料理連合」の使者まで。
「では、会議を始めましょう」
アリシアが切り出した。
議題は、料理と魔法の可能性について。
先日の戦いで見せた力を、平和的な目的のために活用する方法を話し合うのだ。
「私からの提案があります」
智也が立ち上がった。
「各国の料理人が定期的に集まり、お互いの技術を教え合う。そして、その成果を持ち帰って広めていく」
「素晴らしい提案ですね」
カイルが賛同する。
「実は、既に『星風亭』で小規模な試みを始めています」
リリアが前に出て、説明を始めた。
「先日、エルフとドワーフの技法を組み合わせた新しいデザートを開発しました」
会議は白熱し、様々なアイデアが飛び交った。
そして...
「私からも、話があります」
影喰らいが静かに立ち上がる。
「私たち影の一族は、かつて別の世界から来ました。そして、この世界で新しい味と出会い...救われたのです」
会場が静まり返る。
「だから、私たちも協力したい。影の力を、料理に活かす方法を」




