第15話 『審査の時』
審査員たちは、各々の料理を丁寧に味わっていく。
会場は静寂に包まれ、時折漏れる感嘆の声だけが響く。
「『星風亭』の皆さん、前へ」
生徒たちが緊張した面持ちで進み出る。
「素晴らしい連携でした」
カイルが口を開く。
「特に印象的だったのは、それぞれの個性が活きながら、一つの世界観を作り上げている点です」
続いて影喰らいが立ち上がった。
「若い魂の...輝き。懐かしい」
かすれた声だが、確かな感動が伝わってくる。
そして『まかない亭』の審査。
「青山さん」
カイルが真剣な表情で語り始める。
「あなたの料理には、二つの故郷が見えました。生まれ育った日本という故郷と、この異世界で見つけた新しい故郷」
影喰らいも静かに続けた。
「私たちも...かつて故郷を離れ、この地にやってきました。その想いが、この料理に込められている」
審査は長時間に及んだ。
結果発表まで、参加者たちは落ち着かない様子で待機する。
「皆さん、結果が出ました」
会場が静まり返る。
「今年の魔法料理部門、最優秀賞は...」
緊張が頂点に達したその時。
突然、会場の扉が勢いよく開いた。
「大変です!」
衛兵が慌てた様子で駆け込んできた。
「街の東門に、前代未聞の規模の魔物の群れが!」
会場が騒然となる。
そんな中、智也はある考えが頭をよぎった。
これだけの料理人が集まっているのだ。
その力を合わせれば...
「皆さん!」
智也が声を上げた。
「私たちの料理で、街を守りませんか?」




