登場人物紹介
名無しの殺人者:物語の主人公である「私」。多人種多民族に渡る血統を持っており、アメリカ、ロシア、中国、日本、スウェーデンなど様々な祖先を持つ混血児。メキシコで生まれたが両親が生後間もない頃にカルテルに殺害され、暗殺者として育てるために誘拐される。カルテル壊滅後、ウクライナやシリア、アメリカなどを転々とするが、最終的にニューヨークマフィアに殺され、その直後、異世界に転移する。「調停者」という役割を持った勇者となるが、黒魔法の才能がある一方で、強化魔法以外の魔法が使えなかったことから、「偽りの勇者」と呼ばれ迫害された。聖女の勇者を陰から守ることに徹し、魔王ハーデスを最終的に打ち滅ぼした。しかし、その功績はハーデスを殺しきれず、聖女に欲望を持っていた剣聖カズマに奪われ、処刑される。
キリエ・ド・ルッフェ ロンバルディア帝国開国功臣の一族であるルッフェ公爵家の長女。前妻との望まぬ政略結婚に嫌気がさした公爵が後妻を迎えたことで、偽りの公女というレッテルを張られ、虐待され続けてきた。そして、後妻シルヴィアとその娘アリエルに毒殺される。その直後に、名無しの殺人者が転生する。「貴族の象徴」である黄金の瞳と髪を持っている。
カズマ・ユウキ 異世界に剣士の勇者として召喚された日本人の青年。難攻不落のダンジョンを数多くの犠牲を費やして突破し、聖剣レーヴァティンを強奪し、剣聖となった。演説や相手の望むものを察知する能力に長けており、社交術も身に着けたソシオパス。劇場的であるが、決して相手にそのような素振りを見せない。しかし、怒りの矛先を向けられれば最後、苦痛を与えられながら殺すことに生きがいを感じている。調停者である名無しと、彼あるいは彼女を気に掛ける聖女アリスに嫉妬し、処刑に至るまでの陰謀を張り巡らせた張本人。外見はマッシュアップかつ襟足が長い黒髪を持った優し気な男性。
アリス・アズミ 聖女の勇者として召喚された日本人女性。気が弱いながらも、慈愛と博愛の心を持っている。高校生であるが、いじめられており、自殺を考えていきついた先が異世界であった。他の勇者と違い、異世界の神であるユリウス神と対談し、ある使命を遂行しようとしていた。カズマの策略により、死亡する。
【二十勇士】残り10名
聖騎士 セニオ・ソールズベリー 剣術に長けたイギリス人の男性。特殊部隊に所属していたが、アフガニスタンでの任務中に死亡し、異世界に召喚される。聖女アリスを気に掛けながらも、静観した。ビアド髭が特徴的な白人。
闘士 ワン・タオ 中国人の青年。少林寺拳法の使い手である。貧民窟の孤児であり、暴力ですべてを支配できるという信念を持っている。剣聖カズマに敗北し、彼に従っている。
狂戦士 カルロス・エスコバル 南米に潜伏していたテロリスト。麻薬カルテルの戦闘員として活動している最中、抗争で仲間に裏切られ死亡する。殺した数だけタトゥーを彫っており、緑色の髪の毛が特徴的。強さを追究している。
槍使い チャオ・レイファ 中国人の女性。資産家の令嬢で、槍術のチャンピオン。気に入らない人間は、権力と財力で排除してきた。しかし、槍の実力だけは自分自身で勝ち取っている。飛行機事故で死んだと思ったが異世界へと転移した。カズマ一筋であり、聖女アリスを陰でいじめていた。
守護者 ザハール・バザロフ ロシア人の元軍人のマフィア。190cmで100キロほどの巨漢。筋肉質であり、スーツを着ている。武器密輸と傭兵業を生業に勢力を拡大し、大祖国ロシアに裏社会から貢献し続けてきた。しかし、大統領の裏切りにあい、暗殺され、異世界へと転移した。その性分は、殺されてもなお崩れていない。剣聖カズマを新たな主君にする帝国の建設に奔走している。
弓使い ヒルデガルド・ハンナヴァルト ドイツ人のアーチェリー競技オリンピック代表選手。金髪とピンク色の瞳、鋭い目つき、ギャルっぽい化粧が特徴的な少女。また、民族派右翼団体の構成員でもある。貴族においても民族の選別は必要であると主張し、一部の貴族と衝突している。魔族戦後の秩序社会を形成するために、カズマに協力し、「正統なるロンバルディア帝国人」の基準を設けようとしている。
神官 ルカ・トリエステ イタリア人の元司祭。巡礼布教の最中に、中東系の宗教組織に拉致され殺される直後に異世界へと転移した。それを主の御心と奇跡であると信じている。また、ユリウス神を唯一神と定めるロンバルディア帝国国教に配慮し、それをキリスト教的に解釈しなおすことで、帝国聖国教を新たに布教する。帝国国教会からは、既存解釈と差異がなく、神に選ばれた勇者であることから、救世主と崇められている。しかし、その実態は異端者と見なした人間をことごとく処刑・迫害する過激な宗教組織の設置である。剣聖カズマがユリウス神を信じると断言したため、布教にまい進する。
賢者 ソン・ユミン 韓国人の警察官。賢者としての能力である超推理能力があり、数秒前の相手の行動を予測することができる。長いものに巻かれる主義で、空気を読むことに優れている。男尊女卑社会の中で育ったため、女性主義思想がある。力のない女性を偏愛し、不倫や浮気、暴力を振るう男を憎悪している。
錬金術師 ブラッドリー・オールウィン アメリカ人のIT起業家兼資産家。カリフォルニアにあるとあるインターネット技術を開発した企業の代表取締役である。毒舌家であることが災いし、アンチに刺殺された直後、錬金術師の勇者として異世界に転移した。帝国における食糧自給率を上げるための、農林水産業の開発と、それに伴う建設業、移動魔法ポータル技術の開発によって巨大財閥を立ち上げることに成功した。
暗殺者 ユーリア・ロマネンコ ロシア人の裏社会に属する殺し屋。戦後、姿をくらましたことで二十勇士から離脱した。
【死亡した勇者】
聖女 アリス・アズミ
調停者 名無し
重騎士 カイン・バーバリアン アメリカ人の海兵隊員。魔王軍との戦闘中に戦死する。
女戦士 サラ・フォーリナー アメリカ人の情報工作員。魔王軍の密偵中に、魔王軍幹部に処刑された。
侍 テンカイ・ゼンドウジ 日本人の武道家。魔王軍との戦闘中に行方不明になる。
魔女 エディット・ミレー フランス人の医者。薬草や補助魔法で勇者たちを支援していた。聖女アリスとともに負傷した兵士の治癒にあたっていたが、黒魔法士であったため、迫害されていた。最後は処刑される。
白魔法士 エミリア・シャルヤネン フィンランド人の科学者。補助魔法と回復魔法によって勇者たちを支援していた。補助器具などを発明することもあった。最後は処刑される。
死霊魔法士 サイモン・フリーマン アフリカ系アメリカ人の元ギャング。改心し、勇者たちを支援していた。魔王軍兵の死体を操り、同士討ちするなどしていた。しかし、肌の色によって迫害され、最後は処刑される。
呪術魔法士 リュカ・カカレ 太平洋諸島部に住んでいた少女。占い師であったが、異世界に転移した後は呪術師として勇者を支援した。しかし、人を呪うという行為がユリウス神国教に禁忌魔法として指定されていたため、迫害された。最後は処刑される。