表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ライフ  作者: 道野ハル
オウド国Ⅱ
99/162

揺れる心



―――ピチチ


―――チュンチュンッ



 翌朝。



―――ガチャッ



『あれ?』

「は?」


 食堂に行こうと思って部屋を出たら、ばったりラルフに会った。今日はちゃんと起きたんだ……と思いつつ、私はその腕に目を向けた。


『……本当に寒いんだ』


 昨日は半袖の上からイオリさんの羽織を着てたけど、今日のラルフは麻の長袖を着ていた。オウド国に入ってから買ったのかな?私は全然寒くないけど……


「なに?」

『あ、いや、寒さとか感じなさそうなのに』

「バカにしてる?」

『いやいやいや!!』


 ヤバイ!発言には気を付けないと!昨日学習したばっかじゃん!!


 ヒヤヒヤしながら歩きはじめるとラルフも並んで歩き出した。そういえば、ラルフと一緒に食堂に行くなんて初めだ。あ、なんか緊張してきた……。


『きっ、今日はちゃんと起きたんだねっ』

「まあね」

『……』

「……」


 だめだー!話続かなーいっ!


 まだ食堂まで十数メートルある。喋らなくてもいいんだけど、でも無言だととても長く感じるこの微妙な距離……


「もうすこしだね」

『え?』


 ふいに発せられた言葉に、思わずラルフを見上げた。


「タナカが帰れるまで」

『え……』


 急に胸が詰まった。ラルフは私を見ていない。……どうゆうつもりなんだろう。どうゆうつもりで言ってるんだろう。


「どうしたの?」

『!い、いや、あの……なんか……自分の住んでた所が懐かしくなってっ』

「そっか」

『うん』


 胸がパンパンだ。なにかの拍子でパーンと破裂してしまいそうなくらい、ぎりぎりまで膨らんでる。



―――タンッ、タンッ……タン



 しばらくすると食堂に着いた。イオリさんとユラさんが待っていた。私は二人に顔を見られないように、静かに椅子に座った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ