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ライフ  作者: 道野ハル
アメリア国[後篇]
91/162

返事



「総員、前進」



―――カシャン、カシャン


―――ザクッ、ザクッ……



 ラシュナを先頭に囚人達は再び進み始めた。


「……」


 列の後方にいたケビンは、そっと背後を振り返った。



--------




―――ザクッ、ザクッ……


―――すっ……



「うん?」

「!」


 居た。深い茶色の瞳を持つ、金髪の少年……


「え、なに?」

「え……」


 自分から見たのだけれど、何と答えればいいのか分からない……。でも、どうしても聞いてみたいことがあった。


「……き、きみは会えたのか?」

「は?」

「その……手を握ってくれる、人に……!」



―――ザクッ、ザクッ……



 列はゆっくり進む。しかし確実に少年から遠ざかっていく。少年は無表情で、何を考えているのか分からない。


「会えたよ」

「!!」

「あとから気付いたけど」

「え?」


 一瞬、彼がひどく悲しげな顔をしたように見えた。しかしそう思った次の瞬間には、また涼しい顔に戻っていた。


 ……


 そういえば、命を助けてもらったのにまだお礼を言っていなかった。


「あ、あの時はありがとう……!」

「……ああ」


 そう言うと、なぜか少年は下を向いた。



―――……スッ



 そしてほんの少し顔を上げると、目を伏せたままで言った。


「どういたしまして」


 彼は、何を考えているのだろう。


「……げ、元気で!」


 何か声を掛けたいと思い咄嗟に出たのがこれだった。なんの気休めにもならない言葉だ。しかし、


「アンタもね」

「!」


 そう口にした少年は、先ほどより少しだけ顔を上げていた。




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