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ライフ  作者: 道野ハル
カタス国
9/162

ある朝



 朝。


 カタス国、シンイ隊舎。



―――タタタッ



「(一体どこにっ……)」



 自室にも食堂にもいない。という事は、もうシンイ廷に向かったのだろうか?出来るなら、早く確認したい……



―――タッ



「!、キヨズミ隊長!!」

「うん?」


 廊下の角を曲がった所でその後ろ姿を見つけた。思い切って声を掛けると、隊長はいつものように、無駄のない動きでこちらを振り向いた。


「やあ、ソラノ君。今日も麗しいな」

「……」


 特に変わった様子はない……。でも、だからといって安心出来る人ではない。私は息を吐いて、努めて冷静に訊ねた。


「第六班を呼び戻したという話は、本当ですか」

「ああ」

「……例の件のために?」

「その通りだ」


 間髪を入れずに答えが返ってきた――ああ、決めてしまったんだ。もうきっと何を言っても届かない。


「……彼らは、いつ戻ってくるのですか」

「昼頃には着くんじゃないか?」

「畏まりました。部屋の手配をしておきます」

「頼んだよ」



―――クルッ、コツ、コツ、コツ……コツ



「ああ、そうだ」

「?」


 ふいに、隊長が立ち止まった。自分から止まるなんて珍しい……。不思議に思っていると、隊長は背中を向けたまま少しおどけた口調で言った。


「なんと、異星人も一緒だそうだ」

「!!、異星人ですか!?」

「何というか、これが神の思し召しというやつなのかね」

「……ええ」

「諸々頼んだよ」



―――コツ、コツ、コツ……



「……」


 それだけ言うと、隊長は広い歩幅で歩き出した。もうその背中は止まらなかった。




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