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微笑
VQ地区、会議室。
「はあ、三日!?」
上層部からの命令にも関わらず、ノベルは思わず突っ込んでしまった。
「口を慎め!」
「あ、すみません」
軍人がノベルを睨みつける。
「でも、ちょっと無理がありませんか?」
「無理は承知だ。何とかしろ」
「何とかって言っても……」
腕を組み、うーんと首を捻る。
「頑張ります?」
「必ずな」
―――バタンッ
―――……
―――コンコン
「はい」
―――ガチャリ
「失礼します」
―――パタン
「あ、お疲れ様ですクロトさん」
ノベルは来訪者――クロトに、へらっと笑顔を向けた。
「王も切羽詰まってますね」
「ええ」
「で、姫はいつこちらに?」
「今晩には」
「おーっ!あ、あと昨日から働き始めた四人組、あれも貴方が手配したんですか?」
「はい」
「味方ってことですか?」
「わかりません」
「え」
予想外の答えだった。クロトの瞳を窺うと、そこには珍しく困惑の色が浮かんでいた。
「いざという時に役に立つかもしれない、と姫様が」
「ラシュナ姫が?」
「はい」
「へえ……」
「ノベルさん?」
「いや、姫も変わってるなって」
「……ええ。それでは」
―――キィ……パタン
―――……
「……面白いことになったな」
誰もいなくなった部屋で、ノベルは小さく笑った。




