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ライフ  作者: 道野ハル
アメリア国[後篇]
67/162

穏やかな朝Ⅰ




―――ピチチチッ


―――チュンチュンッ



「……ろ、」


 ん?


「……タナカ、」


 呼ばれてる?いや、でも寝足りないから、もうひと眠り……



―――バサーッ!



「起きろっつてんだろうがぁぁぁ!!」

『ぎいゃぁぁぁぁぁ!!!』


 容赦なく布団を剝ぎ取られる。慌てて起き上がると――イオリさんの顔(怒)が眼前にあった。


「てめぇ、何十回起こせば起きんだよ……?」

『そ、そんなに起こされました……?』


 ヤクザのように詰め寄ってくる。……やっぱり恐い。


『す、すいません!昨日……いや今日?寝るの遅かったから、もうちょっと寝てた方がいいのかな?って脳が勝手に判断したみたいで!!』

「……まあ、確かに遅かったからな」

『ですよね!仕方な』

「俺とユラは起きたけどな」

『……エライですよね』

「ああ」


 そう言うと、イオリさんは息を吐いて口元を緩めた。


「今起きねえと、食い損ねるぞ」

『!それはっ』

「嫌だったら早くしろ」


 かすかに微笑むと、イオリさんは踵を返して部屋を出て行った。



―――パタン


―――……



 ……静かだ。ベッドに座ったまま辺りを見回す。木製の床、花瓶の置いてある机、窓から入る朝の光。


 昨晩、あの丘の上にいた時は、こんな平和な朝を迎えることが出来るなんて思ってもみなかった……。




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