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疾走
数分後、街中。
―――パカラッ、パカラッ
―――ヒヒィィンッ
アメリア国の王女――ラシュナは少数の部下と共に、街外れにある丘の上に向かって馬を走らせていた。
―――パカラッ、パカラッ
数刻前、城内で妙な動きがあることに気が付いた。不審に思い、信頼できる部下に探らせたところ、衝撃的な事実が明らかになった。
“今宵、収容所を爆破し、悪魔達を全滅させる”
「くそっ……」
兄に話したのが間違いだった。自分の行動のせいで、多くの者が犠牲になってしまう。唇を噛みしめ、手綱を強く握ったその時
―――ドォォォォォンッ!!
「「「「「!!」」」」」」
収容所の東側から、爆発音と共に赤い炎が噴き出した。
「姫さま、あれは……!!」
「……っ」
部下たちが絶望を滲ませた声を上げる。ラシュナ自身も絶望に呑まれかけた。が、爆発はその一回のみだった。他の箇所から、まだ火の手は上がっていない。
「……速度を落とさず進め、まだ救える命はあるっ」
「「「「はっ!!」」」」
顎を引き、碧色の瞳で前を見据えた。




