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ライフ  作者: 道野ハル
オウド国
48/162

雨の記憶



--------

----




―――ザァァァァ


―――パラッ、パララッ



「……く……そっ……」


 容赦なく降りつける雨が崖ぶちを削る。下は深い谷。この手が離れれば全て終わりだ。俺は、こんなところで終わるのか……。


「イオリ」

「!」


 見上げると、金髪野郎がいた。奴は表情のない顔で、俺に手を伸ばした。


「……ってめえの手なんか借りるかっ」

「落ちるよ?」

「……」

「おいしょっ」



―――グイッ


―――ドサッ



 背中に地面を感じる。空からは、相変わらず冷たい雨が降りしきる。


「くそ……くそっ……」

「……」


 悔しくて死にそうだ。いや、違う、これは……絶望だ。自分に対する絶望。俺は、こんな人間だったのか。こんな何も無い人間だったのか。



―――ザァァァ


―――ザァァァ



「何かにならなくたって、いいじゃない」


 雨音を縫って、抑揚のない声が聞こえた。


「俺は」



―――ザァァァ



「アンタが笑ってたら、楽しいよ」




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