危機
―――ゴォォォォッ
突然、爆発が起こった。しかしスイッチは押されていない。……火災が原因で起こった爆発現象か。辺りを見回す。男達はなんとか無事だった。
「……身体を低くして、最小限の呼吸で窓に向かえ!」
「!は、はいっ」
「ひいいいっ」
全員が窓の下に集まる。俺は身を乗り出して、下にいるリンに向かって叫んだ。
「リン!時間がねえ、今から一人ずつ降りさせるから受け止めろ!」
「!、わかった」
―――ザワッ
「こ、ここから飛び降りろってことか!?」
「む、無理だ!」
「この高さから落ちたら……」
男たちがざわつく。無理もないが、四の五の言ってる暇は……
「信じようではないか……」
「!」
「「「「!!」」」」
首謀者の男が口を開いた。
「我々を誰一人傷付けず、この期に及んでもまだ助けようとする……この者を信じよう……」
「……」
もう、騒ぐ者はいなかった。
一人、また一人と窓から避難させる。やがて、俺と首謀者の二人だけになった。一人なら抱えて降りられる。そう思って男に手を伸ばそうとした、その時
―――ドォォォンッ!!
「「!!」」
二度目の爆発……!
「リン!!」
「!!」
咄嗟にリンの名を呼び、男を窓から突き出した。
「!お前っ……」
―――ゴォォォッ
―――バチバチバチッ
赤い炎が燃え盛る。きっと、男はリンが受け止めたはずだ。俺も早く出なければ……
「イオリ」
ふと、名前を呼ばれた。
“イオリ”
……そういえば、前にも同じようなことがあった。声のする方に、無意識に手を伸ばす。
―――ガシッ
「おいしょ」
―――グイッ
―――バッ
身体が宙に浮く。煙の向こうに空が見えた。




