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再会
深夜。
オウド国、西の森。
―――サワサワサワ……
男は、ある人物を待っていた。
―――サクッ、サクッ
「また会ったね」
「……ああ」
金色の髪、茶色の双眸、飄々としたその表情、
「ラルフ、といったか」
「うん」
少年は男の姿を目にしても動じず、ゆっくり足を止めた。
「……これを見にきたのか?」
背後にある岩を指し、少年に問う。
「そうだよ」
「なにか想うことがあるか」
「サラーフとだいぶ仲が良いみたいだね」
「……」
「今のうちに感じておこうとおもって」
「……」
「ってことで、かえってくれる?」
男は背を向けて歩き出した――が、数歩進んで足を止めた。
「小僧」
「うん?」
「お前は、あの御方のことを覚えていたのか」
「おぼえてたよ」
「……そうか」
再び歩き出し、森を後にした。
―――スッ……
天を仰ぐ。明日は朔なのだろう。今にも消えそうな細い月が、黒い空に貼り付いている。
僅かな光というものは、嫌いだ。




