新たな気持ち
ミアン国、出国門。
「みんなー!!」
『!、あっ』
オウド国に向かって歩き出そうとしたその時、タンジくんが息を切らして私たちのもとへ走ってきた。
「タンジ殿、見送りにきてくれたのか?」
「うん!……あっ」
ラルフさ……いや、ラルフの姿を見つけてタンジくんが顔を輝かす。
「ラルフ!!」
「うん?」
「はいこれ!」
そう言って、ラルフの掌に何かをのせた。
「どろだんご?」
「うん!」
そこにはピカピカ光る小さな泥団子があった。
「これお守り!」
「おまもり?」
「ラルフが悲しくならないお守り!」
『!』
「……」
「……い、いらない、かな……?」
「いや、」
ラルフがタンジくんから目線を外す。
「ありがとう」
タンジくんに別れを告げて、私たちは一日遅れでオウド国への道を歩き始めた。
「今日中には着くんだな」
「ああ、日没までには着くであろう!」
「ふあ~」
“……い、いらない、かな……?”
“いや、ありがとう”
……どうして、目を逸らしたんだろう?
ナウェ国でトウヤくんと別れた時も変だった。お礼を言われて、うん、とだけ答えて、すぐにその場を去って行った。ああゆう時ってもっと目を見て、ちゃんとお別れするものなんじゃないの……?なんだろう。なんでああやって別れるんだろう……。
「なに」
『いや、なんでも』
「そんなにみてると金とるよ」
『自意識過剰だと思います』
気にしてもしょうがない……。だって分からないもん。この人のことは本当に分からない。
―――スッ……
空を見上げる。ここに来た日と同じように青い空が広がっていた。でも時は経ち、一か月半ほどの月日が流れた。同じ一か月半後……たぶん、私はここにいない……
“明日、世界がどうなるかなんて誰にも分からない”
“以後、気をつけてよ”
“タナカ、今なに思ってる?”
“たのしそうだなあ”
“世界がかわることだってあるよ”
“意味のあるものなんて何ひとつないよ”
“さみしいって気持ちがあるせいじゃないかな”
どうしてそう思うの?
なんでそんな表情するの?
分からない。分かったってしょうがない。でも……気が付くと、なんで?って考えてしまう。
「……zz……」
この先で、なにか分かることはあるだろうか……。
なにか
私にできることはあるだろうか
ミアン国【終】




