新入部員②
「あなたも野球興味があるの?」
「元々しとってな。こっちに来てから調べずに入学したから無い思ってたんやけど、まさかあるとは、これも運命や」
「私たちも何しよっかなーってなってた時、ピキーンって来たから見に行こうとって思ったの! 是非いこうー!」
「ちょ、ちょっと待って。いま練習中みたいだし終わってからの方が……」
「そんなんきにせんでええねん」
「だいじょーぶ!!」
まさか巴に匹敵する行動力の持ち主がいるとはね。
もしかして私ってそういう運命?
そう思いながら2人に引っ張られグラウンドに連れてこられてしまった。
−グラウンド−
「じゃあキャッチボールに入るよー!」
「ちょーっとまった!」
「すみません、少しいいですか?」
一緒に来た3人とは別にもう1人声をかけてきた。
「もしかして見学希望ですか?」
「見学希望っ!? 見学といわずそのまま入部で!」
「こらこら、智花。突っ走らない」
「ウチらは入部希望やで」
「私も入部を希望したいんですが」
なんと一気に4人が入ってきた。
案外集まるもんなんだな。
「ぜひぜひー♪ お名前教えてー♪」
「ウチは戸倉 望深や。関西におったんやけど引っ越してきてん。中学まで野球しとった」
「望深ちゃんだね! んー、体つきやその感じ、ポジションは内野手……セカンドかな?」
「へ? 凄いやん。当たりやで。セカンド守ってたわ」
「だったら冬矢くんとの二遊間コンビだね」
「男の子なんて珍しいな、よろしく頼むわ!」
(男がショートって大丈夫かいな? いかにも下手そうな気もするけど)
なんか失礼なことを思われてる気がするけど。
まぁいいか。
「私は神宮 巴です! キャッチボールやバッティングセンターくらいしか行ったことないです!」
「緑川 七海です。巴とは小学校か
一緒で元々はソフトボールをしていました。よろしくお願いします」
「巴ちゃんに七海ちゃんだね♪ うーん、適正もたくさんありそう!! ぜひ色々調べなければ!」
金の色が目立つ戸倉望深。
黒髪セミロングな元気っ娘 神宮巴。
大人びた印象を受ける青色な髪 緑川七海。
そして。
「私は宮永 穂花。野球は経験者、よろしく」
「穂花ちゃんだね! ん? あ、もしかして千泉女子のリードオフガール!!」
「唄ちゃん、知ってるの?」
「知ってるも何も去年の県ベスト4のチームだもん! よろしくねー!」
この子はうまい。
立ち方や雰囲気でなんかわかる。
「望深ちゃん、巴ちゃん、七海ちゃん、穂花ちゃん。よろしくね♪ じゃあ私たちの紹介するね。左からピッチャーの智花ちゃん、キャッチャーの結奈ちゃん、ファーストの沙優ちゃん、ショートの冬矢くん、まだポジション決めてないけど茜ちゃん、響ちゃん、そしてマネージャーの私、唄です。よろしくね♪」
こうしてなんと創部数日で10人となった。
本格的にこれから野球が始動する!
選手名鑑
鈴本結奈 15歳
少しクールなボブカット女子。
守備位置 捕手
右投げ右打ち
元大亀中出身で県のベストナインに選出される。
リードや捕球能力に長けており、ピッチャーを支える