新入部員①
「じゃあ今日から練習始めるよー!」
あれから一週間。
仮入部期間も終わり、新入生は今日から本格的に部活を始めてもいいことになる。
それを待ち望んでいたかのように喜ぶのは智花だ。
「智花ちゃん、少し待って。実は今日2人、入部希望の子がいるの」
後ろには見慣れぬ女の子が2人。
「あれ? 茜に沙優じゃない」
「響の知り合いか?」
「私のクラスメートよ。今日から部活って言ってたけど野球部だったのね」
「響をびっくりさせたくて」
「びっくりよ。野球興味あったの?」
少し大人っぽさを感じる女の子
そして小柄なちょっと緊張した女の子が来た。
「中学校途中までやっていたのよ。初めまして、木南 沙優。中学では肩をすこし痛めて辞めたんだけど、やっぱりしたくて。ファースト希望よ。そしてこの子が……」
「えっと、その、小鳥遊 茜です。野球したことなくて、でも皆と何かしたくて沙優ちゃんときました。よろしくお願いします」
「よろしくー♪ これで7人そろったね!」
「あ、智花ちゃん、私は選手より作戦立案や練習メニューの考案とかしていきたいからマネージャーだから選手は今は6人ね」
「えぇー、そうなの?」
智花は残念そうに声を上げた。
でも、そういう立場の人がいるとよりしっかりとしたことができるのは確かか。
「じゃあ、練習しよっか。まずはアップしてキャッチボール。そのあと、まずはみんなの能力も見ていきたいしティーバッティング、そしてノックに行きます」
「はーい!」
「それなら最初の練習なんだし、智花、主将として声出しと引っ張り役で」
「え? それなら一番うまいのは冬矢くんのほうが」
「いや、最初に声をあげたのは智花だし、俺よりもこういうのは智花が向いてるよ」
「私もそう思うわ。智花よろしくね」
「結奈ちゃんまで……。わかった、じゃあみんないっくよー!」
こうして新生星ヶ海高校の練習が初めて行われた。
この高校が今後の野球界を揺るがすことは今はだれも知らない。
ーグランドの外ー
「あれ? ここって野球部なかったんちゃうかな? なんや練習してるやん」
「そういえばこの前、朝、部員募集してたような。確か愛好会作ったみたいな」
「へぇ、ここに引っ越してきてもう野球できんひん思ったけど、これは何かの縁やな。すまん、ウチちょっと行ってくるわ! ごめんなー!」
「はいはい、いってらっしゃい」
いやぁ、この学校野球ないし、しもたって思ったけど。
よかったわ。
ん? あれ、ほかにもみとるよやつおるな
ウチのほかにも見たやつがおるんやな。
「なんか楽しそうにしてるね」
「うん! なんだかとっても楽しそう! 野球ってこんな感じに練習するんだー! んー! なんかキラキラする!」
「あんたらも野球興味あるんか?」
「え? 関係者の方ですか?」
「いや、違うで。今から野球部に参加させてもらおうかと思ってむこてたらあんたら見かけてな」
「そうなんだ! うん、七海ちゃん、行こうよ!」
「はぁ、巴がそういうともう聞かないわよね、わかったわ。いきましょう」
これからこの3人がグラウンドに出向くのは次のお話。
久々の投稿です!
すみませんー!