表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/91

 定住先となる孤児院

ギルド登録をして用事が終わったのでギルドから出て買い物に行くにした。「孤児院で使う物を揃えようぜ。雑貨屋はあっちだ。」と言ってアルトが俺の手を引っ張る。レオとアルが俺に言った。

「先に孤児院の先生に今日から住めるように話しておくよ。」

「これからベットや食事の準備するの。お兄ちゃんといって来るの。」

「後は任せていいよ。孤児院の責任者の先生は優しいから大丈夫だよ。アルトと後から来たらいいから。」と2人が言うので、アルトと一緒に買い物に行った。石鹸や寝巻き、ナイフ、調味料、瓶詰めの蜂蜜、ブラシ、毛布とかこれからの生活に使う物を購入してから孤児院へ向かった。今日の報酬の殆どが無くなり、お金がないのはかなり辛いが最初は物入りなので仕方がない。

孤児院へ向かいながらアルトが説明してくれた話によると、孤児院には先生と呼ばれる男性が教会から派遣されて孤児院の子供達に文字や計算薬草について教えてくれている。

孤児院には教会から補助金が出ている。今までは、司祭様と2人で運営していた。去年の冬に司祭様が亡くなり司祭様の代わりをお願いしてるが教会に派遣して貰えないので、先生が司祭様の試験が受かって司祭様になるのを待っている状態らしい。孤児院は町外れにあるレンガ造りの建物で小さな教会の隣に木造2階建ての2棟が孤児院で裏には畑があり周りには林が広がって山へと続いていた。木造2階建ての2棟の建物の手前の方の一階玄関から入ってすぐの部屋をアルトはノックした。

「先生、アルトだ。今戻りました。中に入る。」と言いながらドアを開けて俺に手招きする。俺の方をちらっと見て男の人を目線で指して

「来いよ。先生だ。」俺はアルトに続いてドアをくぐり部屋の中に入った。書斎に在るような大きめな机が有り、書類の山ができていた。その書類を読んで何か書いていたレオやアルトより歳上の金髪に近い明るい感じの茶色の髪の人がこちらを見ないままの状態で俺たちに言った。

「少し待っていて下さい。切りのいい所まで片付けますからね。」

書類に何か手が止まり、いくつかの書類に書き込みが終わったようでこちらを見て優しく微笑み話しだした。

「アルベルトが連れてきてくれたんですね。ありがとうございます。」と俺を見て続けて言った。

「レオとアルから話は聴いています。私はここで司祭の見習いをしていますラインハルトです。ここで文字や計算と薬師となれるようにお手伝いをしているので先生と呼ばれる事が多いです。呼び方はお任せしてます。では、孤児院に入るのに必要な書類を作りましたので確認して下さい。記入してもらいたいので近くに来てもらえますか。書類は読めますか。わからないことは説明をしましょう。」と言った。俺が近くに行くと 書類を手渡された。

受け取って読んで見るとギルドの時と違い文字は問題なく読むことができた。俺が解る文字という事はこれは日本語なのかと良く見たが日本語じゃない知らない文字だったが何故か意味がわかり理解する事ができた。書いてある内容は孤児院に入る為の書類で、サインすれば良いものだったので俺は日本語で自分の名前を書いた。

「ギルドカードです。こちらもご確認下さい。」俺は先程作ったギルドカードを鞄から出してラインハルトに書類と一緒に渡して言った。ラインハルトは書類を受け取り確認して

「書類は大丈夫ですね。サインして貰った文字は見た事がないのですが何故か意味がわかります。」と首を傾げながら言った。

「孤児院に入所する書類なのでわかれば大丈夫ですが今この国で通常に使われている文字も習得する必要があります。アルベルト達と一緒に勉強しながら生活してみましょう。いろいろと聞きたい事もありますが今日は疲れているでしょうから食事をして休んでくださいね。明日にでもお話しましょう。アルト案内をしてあげてください。私も後から行きます。」と言って明日説明をしてくれるらしい。アルトが食堂を案内してくれる。

食堂はかなり広く学生の頃の教室ぐらいの広さがあった。テーブルを並べて20人ぐらいが並んで食べれるように食事が配膳されていた。何人かの女の子達がスープを運んでいた。

「お兄ちゃん達遅いの。小さい子達の食事が遅くなるの。他の子も呼んで来て食べるの。」

アルが声を掛けてきたのでアルトが他の子を呼びに行き俺はアルに席に案内された。順番が決まっているので次からも同じ席に着くようにとのことだった。因みに俺はレオとアルトの間になるらしい。アルと話していると同じぐらいか少し大きな感じの子達が席に着いた。

先に7歳から上の子や職員で一斉に食事をしてその後に残りの小さい子達がご飯を食べるようにしている。

お世話をする子が先に食べてないとその後小さい子達がベットに入るまでの時間が対応出来なくて困るのでこの順番らしい。小さい子達は別の部屋で遊んでいるので俺達が食べ終わったら呼びに行く事になっている。

手早く食べて場所を変わる必要があるので先生や職員が揃った所で俺の紹介を簡単にしてくれて食事になった。俺も大勢を一度に覚えれないのでその時の流れで個別に詳しい紹介をしていくとの説明もみんなの前でしていた。

他の子も慣れているらしく簡単に名前など自己紹介をしてくれる子もいたが黙々と食事をする子供もいた。隣の席にいたレオが俺に話しかけてきた。

「ベットに行く前に少し時間を貰うよ。あの時の残した薬草の事がまだ残ってるよ。後で調合室を案内するよ。その時に薬師のテオを連れて行くよ。」と言ったのでレオ達と一緒に食後に調合室で薬草について話をする事になった。調合室は簡単に言うと俺の知っている学校の理科の実験室みたいの所だった。部屋の中にはテーブルがいくつか置いてありテーブルを囲むように椅子が置いてあった部屋の中に教室にある黒板が無いのが一番の大きな違いだろうか。替わりに調合室にはコルクボードみたいなのに説明が書かれた用紙のような物が止めてあったり、傷薬の薬草の乾燥した物が止めてあった。その近くの6人がけの席で俺を待たせるとレオはレオより少し大きい子でラインハルトぐらいの子をつれきた。茶色ぽい髪の色に金髪が混じった感じに見える髪に目が茶色の子だった。

「レオから君のことは聞いているよ。記憶がないこと。仮の名でギルド登録した事。ここで学び生活していけるスキルを身につけてね。僕からは薬草について勉強してもらうよ。今日アルトに聞いて三種の薬草を覚えたんだよね。三種類のものは状態も良いから明日植えるのでこの薬草については合格だね。よく似てるけど違うものがあった。病気が治る薬草と似てるが葉の緑が濃くて白い花が咲いたのが 入っていたけどこれは何に使うかわかって採取したのかな?」俺の顔をじっと見ながら質問を聞き逃さない為かしっかり見ている。

俺は薬草を種類毎に分けながら説明した。

「これが傷薬の薬草10本で少し赤いのが体力を回復するので10本と葉の形状が三つの葉が重なっているように見える感じの物で病に効く薬草10本でこの三つ葉の色が濃い緑の薬草が10本で葉の特徴が一緒なので花があっても同じ植物でいいと思います。この色の濃い葉は病に効く薬草と同じですが触ると少しピリピリします。手の平をかざすと温度の揺れを感じます。俺の感ですが大事な薬草である事で間違いないです。」と答えた。テオは俺の言葉を聞いて慌てて手をかざして小さな声で唱えるように言った。

「鑑定。」小さく頷きながら濃い緑の葉の薬草をレオに渡して

「レオもやってみろ。こいつの言った感じがわかるなら鑑定と言って頭の中を集中するんだ。感じるものがあればわかる筈だから。」俺も真似してみた。手の平をかざすと小さく

「鑑定。」と言ってみた。レオと同じ事をした。俺は何故かこの薬草を魔力回復剤の材料と認識していた。物の名前、性質が頭の中にパッと浮かんでくるのがわかった。レオが

「解るよ。これが薬草で病にも効くが魔力を回復するということが理解できたよ。僕にも鑑定が使えてるよ。何故か頭の中に浮かぶんだよ。すごいよ。」驚いた顔をして大きな声で言った。その後は嬉しいそうにニコニコして

「鑑定ができた事を先生に報告してくるよ。報告したら戻ってくるよ。」と言ったら返事も聞かずに走って部屋を出て行った。テオは少し笑いながら

「レオは鑑定が上手くできなくて薬師として未熟だと気にしていたから、先生にもだいぶ心配かけていたから嬉しくて仕方ないんだ。気にしないでくれるといいのだが。」と言っていた。薬草を指差してテオは表情を変えて真面目な顔で聞いてきた。

「鑑定ができてこれが何かわかったんだよな。これは普段手に入らない薬草だから内緒にしておいてくれないか。貴重で値段も高いから畑で育たない場合はまた採りに行って欲しい。どうしても大事な薬草なのでお願いしたい。40本の薬草の買取だがあいにく孤児院は資金不足で後払いか2カ月無料で暮らすのとどちらがいいかを選んでくれないか。」と言われた。その時、鑑定ができたことが嬉しかったので俺はお金のことをあまり気にしてなかった。

「了解です。2カ月無料でお願いします。また、薬草は採りに行くので大丈夫です。薬の作り方が知りたいのですが薬草を採ってきたら教えてもらうことはできますか?」と俺は聞いた。

「君には薬師になる能力がありそうだから大丈夫だよ。続きはまた明日からにしよう。よろしく頼むな。」と言ってテオは笑ってた。俺はテオに連れられて俺に用意された部屋に案内された。

「君の為にレオがベットのシーツとかの準備してたから今日はゆっくり休んでくれよ。」

テオはそう言ってにこやかに部屋から出て行った。1人になったのもあり俺は鑑定ができたのが嬉しくてつい調子に乗って手短にある物や鞄の中身をベットの上で広げて片っ端から鑑定していたら気付いたらそのまま寝ていた。

読んでくださりありがとうございます(≧∀≦)

実は、ここまでのタイトルのある部分を続けて読むと…?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ